及川光博「2点突破スペシャリスト」という凄み イメージでくくれないビジネスパーソンの資質

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これらのエピソードをビジネスパーソンに置き換えると、「やりたい仕事に就けない」「入りたい会社の募集がない」という状況のとき、きっかけになる可能性を秘めた入口を探す。その入口となる場所でそれなりの成果を収めたら、早いタイミングでやりたい仕事に挑戦する。また、転職後に前職の経歴・スキル・人脈などを封印してしまうのではなく、少しでも生かせるものがあれば使ってチャンスを広げたいところです。

50歳になっても「ミッチー」はエイジレス

及川さんの人柄にふれる上で、もうひとつ忘れてはいけないのが、サービス精神の旺盛さ。

及川さんは多忙な中でも毎年の全国ツアーを欠かさない上に、ライブでは誰もが楽しく踊りやすいムードを作り、盛り上がれるかけ合いを繰り返したり、クオリティの高いコスプレをしたり、すべてのアンケートに目を通して次回に採り入れたり、人生相談を行うなど、ファンサービスに全力投球しています。

このスタンスはドラマの番宣で出演したバラエティでも同じで、及川さんは「主演を引き立てるためにあまり前へ出ず、時折短いコメントで笑いを誘う」というミッションを確実に遂行。「視聴者、共演者、スタッフの三者を喜ばせることは何なのか?」を考えているため、「仕方がなく番宣している」という感がまったくないのです。

ビジネスセオリーとしては当然のことではありますが、やはり「ミッチー」という商品をロングセラーにしている最大の理由は、高い顧客満足度をキープしていること。「ミッチー」はファン、テレビ視聴者、スタッフへのサービス精神がいかに大切であるかを証明しているのです。「どんなに忙しくても、顧客サービスを怠る理由にはならない」という意味では、ビジネスパーソンのみなさんも参考になるのではないでしょうか。

及川さんは今年10月24日で50歳になり、ベテラン俳優やベテランアーティストの域に入りましたが、「ミッチー」としてのイメージはエイジレス。むしろ若々しさを感じるほどであり、これは及川さんが俯瞰した目線から、エイジレスの「ミッチー」をプロデュースしているということでもあります。

俳優とアーティスト、どちらの「ミッチー」をプロデュースしているのも及川さんだからこそ、今後も2点突破の戦略は成功し続けるでしょう。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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