年を取っても記憶力がいい人と低下する人の差 記憶力に不安が出始めた大人のための勉強法
ツールを使いこなす以外に大切にしたいのが睡眠です。睡眠と記憶には切っても切れない関係があります。なぜなら記憶を定着させるには必ず睡眠をとらなければならないからです。学生時代に試験の前日、徹夜で勉強した経験のある方はいないでしょうか。一夜漬けで入れた知識はその日の試験までは持つのですが、試験が終わった途端どこかに消え去ってしまいます。これは睡眠をとっていないため、きちんと記憶が定着しなかったことを示しています。
睡眠中も脳は働いていて、記憶を管理している海馬はとくに大忙し。なぜなら海馬にとっての睡眠は、昼間のうちに頭に入った情報を整理する時間だからです。寝ているときに見る夢はわけがわからないものが多くありませんか。あれは海馬が、バラバラになっている記憶の断片を組み合わせて再生する過程で起こる現象と一説にはいわれています。
例えるならば昼間頭に入った情報はバラバラ状態のジグソーパズルのピース。それらが睡眠中に組み合わされて正しい形に整理されているのです。こうして、完成したパズルだけが記憶として脳に保管されます。
では記憶に最適な睡眠時間はどのぐらいでしょう。ハーバード大学の研究によれば新しい知識や技法を習得するには、覚えたその日に6時間以上の睡眠が必要とのことです。ですから睡眠時間を削って試験勉強を行うなど愚の骨頂。睡眠時間を十分確保して勉強するほうが、結局はたくさんのことを身に付けられます。
発想力や精神面まで向上させられる
ここまで、スキルアップを目指す方に向けて記憶力アップ法をお伝えしてきました。しかし記憶力を鍛えるメリットはスキルアップ以外にもたくさんあります。その1つが集中力の向上です。
実は集中力と記憶力のどちらか一方だけ高いということはほとんどありません。記憶力=集中力といえるほど、記憶力が高いと集中力も高いという関係性があります。つまり記憶力が高くなると集中力まで高くなるというおまけがついてくるのです。
私も記憶力を鍛え始めてから、いい変化がたくさんありました。その1つは精神面の強さ。昔はとても緊張しやすく、あがりやすい性格だったのですが、今ではテレビ番組の収録で多くの人やカメラに囲まれても平気になりました。記憶力につられて集中力がアップした結果、周りに惑わされず、すべきことだけに全力を注げるようになったようなのです。
さらにアイデア出しの能力まで飛躍的にアップしました。拙著『見るだけで勝手に記憶力がよくなるドリル2』に情報を関連づけるドリルがありますが、これを応用すると、思いもよらぬものが結び付いて新しいアイデアを生み出すことができるのです。
その脳の使い方を身に付けることができればどんどんアイデアが湧いてきて、アイデア出しに苦労することも激減します。このようにたくさんの副次的効果も期待できる、記憶力の維持・向上に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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