立憲と国民の合流、遠いワンチームへの道のり

主導権争いや政党助成金めぐりすれ違う思惑

枝野氏があえて性急とも見える年内合流に言及するのは、政党助成金の交付額が1月1日時点の所属国会議員数をもとに計算されることが背景にある。2018年の交付額は立憲民主の約36億円に対し、国民民主は約66億円。旧民進党分裂の際、同党を受け継いだ希望の党がその後、国民民主に衣替えしたことなどで、野党第1党の立憲への交付額が国民より少なくなっている。

さらに、国民民主は旧民進党時代の「政党貯金」を受け継いでいるのに対し、枝野氏が裸一貫で立ち上げた立憲はそうしたものがない。立憲は、年内合流に伴う国民の持参金へ期待しているのだ。

基本政策で広がる枝野、玉木の溝

一方、肝心の選挙準備でみても、衆院全小選挙区の3分の1近くが主要野党の候補がいない空白区となっており、立憲や国民がそれぞれ候補を擁立している競合区も増えつつある。「だからこそ早期解散に備えた調整が急務」(立憲幹部)というわけだ。

ただ、両党内には「合流したからといって、候補者調整が一気に進む保証はない」(国民幹部)との声も多く、「強引に調整すれば合流新党からの離脱者が相次ぐ」(同)との不安も拭えない。

さらに「政党としての生命線」(国民幹部)ともなる政治理念や基本政策でも、「一致は困難」(同)との声が多い。枝野氏は「基本政策で譲れば支持層が離れる」として、原発ゼロを軸とするエネルギー政策や、安倍改憲には反対とする憲法改正への対応などを、「国民側にも飲んでもらう」(立憲幹部)との立場だ。

これに対し国民は、原発ゼロに反対する産別労組を抱える連合を最大の支持団体としており、当面の原発再稼働は必要との立場を維持している。玉木氏は17日の党首会談に先立ち、電力総連など支持組織の4産別幹部から意見を聞いたが、産別側は「立憲の原発ゼロ法案には反対」とくぎを刺したとされる。

憲法改正への対応でも、玉木氏は参院選後に「生まれ変わった」として国会での憲法改正論議に積極的に応じる考えを表明するなど、国会での改憲論議に消極的な枝野氏とは一線を画してきた。玉木氏の姿勢転換の背景には、早期改憲実現に向けた「自公と国民の大連立構想」があったとされるだけに、憲法問題でも枝野、玉木両氏の溝は深い。

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