血液1滴でがん判別!東芝が生んだ技術の全貌

2時間以内に99%の精度でがん検査が可能に

東芝が開発した画期的なマイクロRNAチップ(記者撮影)

東芝が11月下旬に発表したのは、わずか1滴の血液から大腸がんなど13種類のがんを検出できる検査キット。2時間以内に99%の精度で初期の「ステージ0」(がん進行度:0からⅣまで5段階)からでも、がんにかかっているかどうかを判定できるのが特徴だ。

2020年から実証試験を開始し、数年内に人間ドックの血液検査などで実用化を目指す。2万円以下での検査費用に抑えたい考えで、幅広い利用を見込んでいる。

高精度かつ網羅的にがんを検出

東芝が注目したのが、細胞で作られて血液中に分泌されている「マイクロRNA」という物質。マイクロRNAは遺伝子やたんぱく質の働きに関わり、ヒトでは約2500種類ある。がん細胞が体内にある場合、マイクロRNAの一部の分泌量が増えることがわかっており、がん検診の診断マーカー(目印)として期待されている。

従来のがん検出技術は主に腫瘍マーカーやアミノインデックス、画像診断という方式が普及している。腫瘍マーカーやアミノインデックスでは採取した血液からがん検出が可能だが、網羅的な検出に未対応であったり、検査精度が低いなどの課題があった。

また、CT(コンピュータ断層撮影)やPET(陽電子放出断層撮影)などの画像診断も方式ごとに得意・不得意ながんがあるほか、検査費用が高額で時間もかかる。さらに妊婦にはCTやPETが使えないという問題もあった。

これらの課題を一手に解決したというのが東芝だ。開発を主導した東芝の橋本幸二・研究開発本部研究開発センターフロンティアリサーチラボラトリー研究主幹は、「簡便性、網羅性、精度のすべてを満たす技術はこれまでなかったが、東芝の技術では高精度かつ網羅的にがんを検出できる」と意気込む。

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