実家の片づけに2年要した40代女性が得た教訓 具体的な計画と期間を決めるのは仕事と同じだ
細かな収納は後回しにして、父自身が迷うモノも含めて選んでもらいました。不要なモノで埋め尽くされていた台所も、これから主となる父にとって必要なものだけにしてみると驚くほど広く安全な場所になりました。
実家の片づけは仕事のプロジェクトと一緒
整理収納アドバイザーということもあり片づけは得意分野です。けれど親のモノを片づけるということを甘く見ていました。計画を立てず自分の感覚だけで始めた結果、2年の歳月がかかってしまったのです。
今思えば実家の片づけは仕事でいうところのプロジェクトの立ち上げと同じ。5W1H(だれが・いつ・どこで・なにを・なぜ・どのように)を元に参加メンバー(親・兄弟など)と計画を立てることが重要。参加メンバーの得手不得手も見極め、作業の段取りや、アウトソーシング、分担の手配など、目に見える作業以外のサポートがあるのとないのとでは、進捗に大きな差が生じます。日々のお仕事でこれをこなしていらっしゃる人にはイメージしていただきやすいかと思いますが、仕事も親の家の片づけも同じなのです。
私の場合は、結果的に遠回りはしたものの、父と妹との奇跡的な距離感と信頼関係によって、終始揉めることなく最後まで続けることができました。そして途中から具体的な計画と期間を決めたことによって、抱える課題が明らかになり、その現状を伝えることで周りの協力も得られ、スピードは格段にアップしたのです。
実家の片づけの多くは、親が病気になったり介護が必要になったりと、状況が変化した時に初めて考えるケースが多いのではないかと思います。けれどそうなってしまった時の親には片づけに向き合う気力も体力もありません。そして委ねられる私たち子世代も20代のパワーはありません。それぞれが少しでも元気なうちに“これからの暮らし方”について会話ができる関係が大切です。
モノに対する価値観は親世代・子世代に限らず人それぞれで全く違って当たり前。けれど誰にでも平等に訪れる「人生の最期」に自分の持ち物の始末を自力でできる人はいないのです。
だとすれば、せめてこれからの“自分自身”の人生に「必要のないもの」だけでも、持った者の責任において手放す判断をするべきであると思うのです。その作業をまずは自分がしてみることで、まだまだ元気な親に耳を傾けてもらえる言葉を掛けられるのではないかと思います。
実家の片づけは「時間」「労力」「お金」のいずれかが必要になります。私の場合は親子共に「お金」の準備ができなかったために、「時間」と「労力」を費やさざるを得ませんでした。
どれを選択して覚悟を決めるかが大きなポイントになりますし、これを元に話し合うことができれば、いかに日常のゴミ出しがいちばん最短で楽な方法かに気づいて頂けるのではないでしょうか?
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