実家の片づけに2年要した40代女性が得た教訓 具体的な計画と期間を決めるのは仕事と同じだ

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母の趣味のものがぎっしりと積み上げられた3Fの部屋(写真:筆者提供)

病気になってからも気丈に振る舞っていましたが、病に対する不安と心細さを隠しきれない母に、言いたい言葉をぐっと飲みこみました。そしてなるべく心身の負担にならないよう、まずは私たち家族やお見舞いに来てくれる親族が歩ける通路を作るところから…。そんなゆっくりとしたペースで進めました。

けれど入退院を繰り返しながら1年足らずで母は他界。一緒に片づけられたのはほんのわずかな空間でした。母を亡くし片づけに対する気持ちはすっかり失せ、まだまだモノで山積みの部屋を前に何もできず時間ばかりが過ぎました。

幼いころからあまり接することのなかった父と会話をするようになったのはこの頃。母が亡くなった後の手続きで行動を共にする時間が増えたのです。家の中のことをすべて母に任せていた父は何がどこにあるのか把握できておらず、片づけながらものを探す…ということが続きました。

初めて家のことに向き合わざるを得なくなった父は、「自分の時は困ることがないようにしておきたい」と。そこから父と「今後実家をどのように使っていくか」を相談しながら、片づけていくことになりました。

実家を片づけるためにやったこと

最初は持ち主がいなくなり放置されていた母の遺品から手をつけました。本人に確認する必要がない分早く進みそうな気がしますが、ものを通して母の思いを感じ、思わぬ時間がかかってしまいました。

① 誰にも譲れないほど明らかに傷みのある不用品

ゴミ袋に入るものは父に任せてごみの収集日に出してもらいましたが、靴箱、食器棚などの大物はクリーンセンターに持ち込んだり、手に負えない婚礼家具などは業者にお願いしました。そうなると当然費用も掛かります。いまや「捨てる」ことにお金がかかる時代なのです。けれどこうして家の中から少しずつでも出しさえすれば足場は広がっていきます。

業者に処分してもらった婚礼ダンスと、クリーンセンターに持ち込んだ靴箱(写真:筆者提供)
② 人に譲れる範囲の価値があると思えるもの

これらは次々と一部屋に集めていきました。残すと決めたモノの総量を目視することも重要です。私の手で新たな持ち主につなげることができる量なのかどうか?そういうことをイメージすることで、取捨選択がしやすくなります。

まずはリサイクルショップに出張買取を依頼したのですが、需要の有無で判断されるため、実家に放置され埋もれていた母のモノたちの多くは買い取り不可でした。“もったいない”という思いだけでは片付かないことを痛感させられます。メルカリなどのフリマアプリなどの手放し方もありますが、この頃の私には気持ちも時間も余裕がありませんでした。

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