お金で長い人生に困らないための大鉄則10選 貯蓄と支出を計画的に、運用は合理的に
セカンド・キャリアの選択肢を広く持つためには、早い段階から準備をしておくことが大切。一般的には、45歳くらいから考え始めるといいそうだ。
一方、結婚している人の場合は、配偶者も働けば生活をより豊かにすることが可能になり、夫婦合計の年金額も増やすことができる場合がある。人生のプランを立てるにあたっては、「誰が、いつまで働くのか」に関する計画が不可欠だということである。
直接的にそう言っているわけではないものの、「資産寿命を伸ばすために、リスクを取った資産運用を行うといい」という金融機関の商品広告にありがちな構成に見えたとことも、今回の報告書が誤解されやすかった原因のひとつ。
しかし当然ながら、将来の運用益をあてにしてお金を使いすぎるべきではない。資産の寿命を延ばすためには、余裕を持った計画的な取崩しを割り当て、その点をわきまえることが大切だということである。
近年、金融庁は一般NISA(少額投資非課税制度)、つみたてNISAを設立し、厚生労働省は通称「iDeCo」こと個人型確定拠出年金を拡充した。いずれの制度も浸透しつつあるものの、さらなる普及への努力が必要だと著者は指摘している。
こうした制度は個人の資産形成を税制面で後押しするものであるため、利用価値があるというのだ。ポイントは、これらを資産形成における「有利なお金の置き場所」と考え、①なるべく大きく使うこと、そして②それぞれの場所に適した資産の運用を割り当てること。
つみたてNISAがいい教材に
資産運用のコツをまとめると、①長期投資、②分散投資、③低コストの3点に集約されるという。ちなみに運用方法については、つみたてNISAがいい教材になるそうだ。
つみたてNISAは積立投資であり、投資の残高が徐々に増えることになるため、まだ投資をするまとまった資金がなくても始めることが可能。しかも「長期・分散・低コスト」の原則に従った運用ができるので、失敗しにくくできているということだ。
超高齢期のお金の管理についての、相続対策を除く原則論は、①お金の在処を家族と共有する、②司法書士・弁護士など職業後見人による法定後見人がつく状態を避ける、③これまでと変わらない資産運用を継続するといったことがポイント。
たとえば10年以上動きのない預金は休眠預金とされてしまい、あとから家族が取り戻せない状態になる場合があるため、お金の在処は重要。家族など「信頼できる人」を確保し、そのサポート下で、決して金融機関に頼らず、資産運用とお金の管理を継続することが重要だという。
なお職業後見人がつくと財産の利用が不自由になり、多額の費用がかかるため、不用意に家庭裁判所に後見人の選任を申請してはいけないそうだ。「信頼できる人」が基本的な内容をしっかり理解し、高齢者本人とともにお金を合理的に管理することが大切だというのである。
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