みんな大好きな「アボカド」品薄回避の最終手段 遺伝子組み換えへの取り組みが始まった

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研究が軌道に乗った後は、バイオテクノロジーの進歩によってゲノム解析に要する労力が大幅に軽減され、チームは当初の目標よりも多くの品種の解析を実施することができた。メキシコの研究チームは現在、さらに100種以上のゲノム解析に取り組んでいる。

こうして得た遺伝子地図により、科学者らは今後、多様な品種のアボカドの相違点を分析し、病気への耐性を高めるなど望ましい性質を持った特定のDNAの断片を特定することが可能になる。それによって植物のゲノムに新しいDNAを組み込んだり、古いDNAを取り除いたりする遺伝子編集の基盤が作られ、アボカドの遺伝子情報を直接改変することなく、特定の性質を活性化させる育種技術が促進されるだろう。

アボカドは農業貿易においても非常に重要

アボカドを存続させる別の方法は、接ぎ木の際の台木を操作して、新種のアボカドの枝を結合できるようにすることだ。実が成る木の上部の枝の遺伝子ではなく、台木の遺伝子を組み換えることで、アボカドの果実そのものを改変せずに、真菌病への耐性が強いアボカドを作ることが可能になるかもしれない。

「遺伝子組み換えに対する懸念が強い人々にそれを許容させる、大きな可能性の1つだ」と、研究に参加したニューヨーク州立大学バッファロー校の生物学者、ビクター・アルバートは言う。「GMアボカドを作る必要がなく、遺伝子組み換えをしたとしても、アボカドそのものの遺伝子を組み換える必要がない」。

農業コンサルタントで南米貿易の専門家でもあるモニカ・ギャンリーは、どんな科学技術であれ、病気への耐性を持ち、長期の干ばつにも耐えるアボカドを開発できれば、世界のアボカドの半数近くを生産し、アメリカへの輸出に大きく依存するメキシコの農業分野は向上すると指摘する。

「アボカドはとても重要な作物だ。農業貿易においても非常に重要な存在で、過去数十年でその重要性は増している」とギャンリーは言う。

(執筆:David Yaffe-Bellany、翻訳:中丸碧)
(C) 2019 The New York Times News Services

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