乳がん予防のため今こそ見直したい「生活習慣」 現代人のライフスタイルはハイリスク

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USPSTFは今年に入り、乳がんサーベイランス・コンソーシアム(BCSC)のリスク計算ツールを使ってこれらの薬が効くとみられる女性を特定することを推奨した。

同委員会は、5年以内に浸潤性乳がんを発症するリスクが3%以上あると推定され、薬剤による害のリスクが低い女性は、予防薬の治療が提供されるべきだとしている。リスクの推定は、年齢、人種や民族、母や姉妹または娘の乳がん既往歴、乳房生検の履歴、乳腺密度という5つの要因に基づいている。

計算ツールの開発者の1人、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のカーラ・ケルリコースキー医師は、女性の半数は乳腺が密集する高濃度乳腺(デンスブレスト)だが、そのすべてが高リスクではないと話す。密度と計算ツールの結果を組み合わせることで、より集中的な検査とリスクを軽減する薬剤の恩恵を受ける女性を特定するのに役立つという。

運動と食事の見直しがリスクの低下に

残念ながら、現代のライフスタイルは乳がんのリスクを減らすとわかっている要因に反することが多く、すべてのリスク要因を修正することもできない。そのため、女性にとっては実践できるものを取り入れることがとくに重要になる。

変えることのできない最たるものが年齢だ。乳がんの最大のリスク要因であり、今日の女性は1世紀前の女性よりも30年近く寿命が長い。思春期が早く始まり、最初の満期妊娠の時期が遅く、生まれた子どもに6カ月以上母乳を与える母親は5人に1人未満だ。平均より遅く閉経期に入る女性もいる。これらのすべてが、がんの増殖に影響を与えるホルモンに乳房がさらされる年数を増加させているのだ。

今日では数十年前より多くの女性がアルコールを飲んでおり、摂取量も増えているが、乳がんリスクはアルコールの摂取量と摂取頻度に正比例して増加する。ホルモンバランスを乱し、乳がんのリスクを高める環境汚染物質への曝露も増えている。

こうした変化の影響を悪化させるのは、少女や成人女性の過体重と肥満の割合が高いことだ。体脂肪はエストロゲンを生成し、環境汚染物質を体内にため込む。過体重を避けることで得られる恩恵はがんの予防だけにとどまらない。

運動はがんリスクの低下に関係があり、女性は日常生活に運動を取り入れる最善の努力をするべきだ。日常的な運動は女性にとって、乳がんリスクだけでなく、死因第1位の心臓疾患のリスク低下にもつながる。

中強度から高強度の運動を1日に30〜60分している女性は、運動していない女性に比べ、がんを発症するリスクは20〜80%低いことが多くの研究で示されている。運動を閉経後に始めても効果がある。

乳がんの治療歴がある女性の場合、週に3〜5時間平均的なペースで歩くことで、がんの再発と死亡のリスクを40〜50%減らす可能性もある。

食べるものや食べる量も乳がんリスクに影響する。アメリカがん協会は、動物性の肉の中でも特にベーコンやソーセージなどの加工肉の摂取量を減らし、野菜、果物、全粒穀物、豆腐など伝統的な大豆食品を増やすことが、乳がんのリスクと心臓疾患や糖尿病、脳卒中、その他のがんの発症リスクを減らすとしている。

とはいえ、乳がんを患った女性がそのことを責められるべきではない。予防策を入念に講じた人でもがんを発症する恐れはある。

それでも、可能な範囲で多くの予防策を取り入れることを検討するのが賢明だ。最善を尽くしても乳がんになってしまった場合でも、こうした予防策が再発のリスクを減らす可能性もあるのだから。

(執筆:Jane E. Brody、翻訳:中丸碧)
(c) 2019 New York Times News Service

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