文部科学省の大臣官房調査統計課資料によれば、1955年の高校生の運動部加入率は、男子41%、女子23%でした。戦後高度経済成長期から平成にかけて、男女ともに運動部加入率は大きく増加したと言えるでしょう。
ちなみに、中学2年生では、運動部加入率は男子80%、女子57%とかなり高い数値です。中学と高校を比べると、男女とも運動部率が下がり、文化部と帰宅部比率が上がります。これは、調査年を変えても傾向としてはほぼ同じです。
部活と配偶関係別の調査
次に、中学・高校生ではなく、20歳以上の成人が中・高時代にどんな部活動をしていたのかについて、現在の配偶関係別に調べてみました。なお、ここでソロ男女と定義しているのは、未婚男女のうち「まだ結婚したくない」「結婚するつもりがない」という結婚に対して後ろ向きな層だけを抽出しています。
まず、男性を見ると、明らかに、既婚男性の「運動部」所属率が全年代通じて高く、とくに、20~30代既婚男性は運動部所属率90%近くと突出しています。文化部割合はソロも既婚も変わりませんが、ソロ男は既婚男性より「帰宅部」比率が高くなっています。この傾向は、ソロ女と既婚女性の比較でも同様です。
つまり、男女とも、既婚者は元「運動部」が多く、いずれの部活にも所属しない「帰宅部」は、未婚のほうが多かったということになります。やはり、運動部所属経験者のほうが結婚しやすいのでしょうか? しかし、これだけで結論付けるのは乱暴でしょう。既婚と比べると低いとはいえ、ソロ男も運動部経験者が6割近く、ソロ女も4割以上います。
2015年に出した拙著『結婚しない男たち』にも書きましたが、実は、ソロ男と既婚男性とでは現在実施しているスポーツの種類が明確に違います。
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