既婚男性は「運動部」が圧倒的に多いという現実 学生時代の「部活と結婚」に関係はあるのか?

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最後に、運動部、文化部、帰宅部の違いで、いわゆる結婚率に違いはあるのかを検証します。私のラボ(ソロもんラボ)で調査した配偶関係別各年代の所属部活の構成比を、2015年の国勢調査の未婚人口・有配偶人口に乗じて、部活ごとの20~50代合計の有配偶率を計算しました(死別・離別は除きますので、全体総数で計算した一般的な有配偶率とは異なります)。運動部については、集団スポーツ部と個人スポーツ部とで分けました。

まず、20~50代全体の有配偶率は、男58%、女67%です。それとの差分で比較したグラフが以下になります。

有配偶率が最も高いのは……

有配偶率が最も高いのは、男女とも集団スポーツの部活経験者で、逆に最も低いのが帰宅部の男女となりました。意外なのは、同じ運動部でも個人スポーツ系の経験者は男女とも有配偶率は全体平均を下回るということです。スポーツ部活をしていたかどうかより、集団系のスポーツだったかどうかの影響が高いのです。

ただし、繰り返しますが、これはあくまでそういう相関が認められるというだけで、そこに因果はありません。「中学・高校時代に集団スポーツ部活を経験していると結婚できる」とは言えないし、「個人スポーツ部や帰宅部だと将来結婚できない」という意味でもありません。

とはいえ、集団スポーツ部活を続けるのに必要な資質は、結婚というチームを作るうえで重要な役割を果たすのかもしれません。だとすると、婚活において、お相手の学生時代の部活の内容をヒアリングしておくのも1つの方法でしょう。

2018(平成30)年度にスポーツ庁が実施した「スポーツの実施状況等に関する世論調査(対象年齢18~79歳)」によると、週1回以上スポーツをしたことがある割合は、57.2%の既婚者に対して、未婚者は53.6%と低かったようです。結婚するしないの問題は別として、未婚者の方もご自身の健康のために、スポーツをされる習慣を身に付けていただくことをおすすめします。

荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

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あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

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