プレゼンが苦手な人は質問の深掘りができない 「What」「Why」「How」を突き詰めれば見えてくる
例えば、Whatをさらに突っ込んで、
「何の映画を観に行ったの?」と質問し、
「『アナと雪の女王Ⅱ』」
と返事があったとします。そこで、欠けている残り2つ(WhyとHow)を聞いてみます。
「なぜ?」「どうだった?」で掘り下げる
(なぜそれを観たの?)
「以前観た『アナと雪の女王』が面白かったので、続編が楽しみだったから」
(どうだった?)
「いやーそれが…途中で寝ちゃって……。」
実際にこんな演劇みたいなやり取りがあるかは別にして、1つのプレゼン内容への理解が広がれば広がるほど、「へえ~」「え、ほんと?」という発見や新たな関心が生まれ、会話もぐっと広がっていきます。
この会話を「プレゼン」に置き換えれば、自分が質問をしてみようとするとなると、自分も含めた聴衆の理解が広がる、すなわち「場が開く」質問をする力が大切だということです。
必要なのは「What?(なんだろう?)」「Why?(どうして?)」「How?(どんな風に?、どうだった?)」の質問です。
例えば中学校の多く行う、近隣の会社に数日赴いて仕事を体験する「職業体験」が、今日聴くプレゼンのテーマだとします。そうであれば、
「働く方々が最も楽しそうに見えたのはどの作業ですか?」
「なぜこの会社に行ってみたいと思ったのですか?」
「この業界がこの先、生き残るにはどうしたらいいと思いますか?」
といったような質問です。
そしてもし、これらのポイントが、聴衆に質問されるまでもなく「すでに盛り込まれたプレゼン」であれば、質問者からはもっと深く突っ込んだ問いかけをし、さらに「場が開き」ます。
では、このWhat やWhyに対する回答が「すでに盛り込まれたプレゼン」っていうのは・・・
あれ、みんな、気付いた?!
~以上、ざっくりとした授業風景~
私が「『いいプレゼン』と『場が開く質問』は裏表の関係にあるのです」とまとめると、生徒の皆さんの目が輝き、ものすごく腑に落ちた感じで頷いてくれました。
プレゼンテーションは、事実関係を粛々とまとめたレポートづくりとは違います。淡々と表面的な内容、あるいはファクトの部分をなぞって、それを聞いて理解していただいて終わりでは、つまらないのです。「なんでこのテーマを選んだのか」「どうしてそれが気になったのか」という、一人ひとりの唯一無二の「思い」を乗せて初めて、聴衆の心に届くプレゼンテーションになるのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら