プレゼンが苦手な人は質問の深掘りができない

「What」「Why」「How」を突き詰めれば見えてくる

「質問する力」と「プレゼンづくり」は表裏一体なんです(写真:Fast&Slow/PIXTA)

プレゼンの後の質疑応答タイム。「何か質問はありますか?」と問いかけられても会場はシーンと静まっている。それなのに終了後にはプレゼンターのところに名刺交換の長い行列ができ、そこで質問する――。このような不思議な光景によく出くわします。

実は私、聴衆として参加するときに、講演主催者から「もし何も質疑応答が出なかったら、そのときはお願いしますよ」と事前にこっそり頼まれることがあります。そんな場合は、スピーカーの話にそれまで以上に関心を持とうと気合を入れ、必死に頭を整理しながらプレゼンを傾聴し、「こう質問したら周りの人にも役に立つかな」と考えながら、質問をひねり出したりもします。

仮に「今日は何でもいいですから、プレゼン終了後に必ず質問を1つしてください」と義務が課されていればどうでしょうか。「それ、さっき話しましたよ」と講演者から切り返されないようにするためにも、きっとものすごく集中して話を聴くはずです。

どれだけ聴衆がいる講演であっても、人の話を聴く時にこんな訓練のような気持ちで毎回聴いていたら、自然に「質問する力」も度胸もつくだろうと感じます。

この「質問する力」は、大勢の聴衆の前のみならず、組織内での打ち合わせや面接・面談、さらには友人と1対1の雑談などでも威力を発揮します。「質問」を投げかけることから相手への理解が深まりますし、何より人は、ただ漫然と相手の話を聴くだけよりも、質問されてそれに答えるなど、自分の話をするほうがずっと楽しいからです。

プレゼン授業で、子どもたちの目が輝いた質問力の話

私は企業研修や学校でのプレゼンテーション授業の一貫として「質問する力」についても講座を行っています。先日、授業をしたのは都内の公立中学校2年生たちでした。

プロジェクターでスライドを見せながら進めた授業風景を、ちょっとここで再現しながら、質問力について考えてみましょう。

~以下、授業風景~

例えば友人が、こんなトークをしたとします。

「先週末、映画を観に行きました」

質問といえば、その基本は「5W1H」。

When(いつ)先週末

What(何を)映画を観に行きました

いつ(When)、どこ(Where)、誰(Who)、何(What)、なぜ(Why)、どのように(How)といった「5W1Hのうち欠けているところを聞いてみる」というのが質問の基礎になります。

ここではすでに、WhenとWhatが話されていますので、WhereやWhoも質問してみようと考えるかもしれません。

「どこで?」――「新宿の映画館」

「誰が?」――「親と私」

さっとファクトに関する答えが返って来るだけで、「恋人と」のような話でもないと、それ以上にはなかなか話が広がりません。話がはずむために必要な質問は、話を広げたり掘り下げたりする視点です。

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