美容院で「おまかせ」と言ってはならない理由 髪型で失敗する原因の50%はあなたにある

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©︎イラスト・南 夏希

どんなに顔や髪質に似合っていても(A)、その髪型が自分の気持ちとフィットしていなければ(B)、しっくりきません。

例えば以前、私の友人が「髪型を大失敗した。どうにかしたい」と言ってきたことがありました。彼女は当時45歳だったのですが、吉川ひなのさんにそっくりの美女で、実年齢よりも10歳くらい若く見られる人でした。

彼女に話を聞くと、美容院で「似合うようにしてくれたら、あとはおまかせで」と言ったそうです。すると、それこそ吉川ひなのさんのように、前髪をぱつんとカットされたかわいらしい髪型にされたのだとか。

正直言って、誰が見てもその髪型は彼女にすごく似合っていました。けれども彼女は普段、上場企業の役員相手にコーチングをする仕事をしていて、少しでも威厳を出すために黒のパンツスーツを着て仕事をしているような人でした。「こんなに若く見えたら、仕事に差し障る」と言います。

このような問題を、私は「似合えばいいってもんじゃない問題」と名付けています。髪型界隈ではつねにこの「似合えばいいってもんじゃない問題」が勃発しています。

これは、「似合う服と好きな服は違う件」と似ています。いくら似合うと言われてもベージュは嫌いとか、ミニスカートは苦手とかってありますよね。

彼女の場合、A「顔・髪質」には似合っていたけれど、B「気分・気持ち(心)」に似合っていなかったから「失敗した」と感じたわけです。

この失敗は、美容院でのオーダーの方法を変えれば防ぐことができます。

美容院のカウンセリングは、病院の問診と同じ

美容院で気に入る髪型になるためにいちばん大事なのは、「自己開示」です。

病院で、ちゃんと自分の症状を伝えないと正しい処方箋をもらえないように、美容院でもどんな自分になりたいかを伝えないと、正しい処方箋はもらえません。

美容師さんは髪のプロなので、(A)の顔や髪質に似合う髪型は、あなたの顔を見て髪を触ればだいたいわかります。カウンセリング中、美容師さんの頭の中には、5~10個くらいの「似合いそうな髪型」が思い浮かんでいるものです。

しかし、美容師さんは髪のプロですが、エスパーではありません。だから、あなたがどんな気分で、どんな自分になりたいのかという(B)については、あなた自身が美容師さんに伝えないとわかりません。

順番は、(B)が先です。まずは、あなたがどんな自分になりたいのか、どんな自分として生きていきたいのか、それを伝えてください。そうすれば、美容師さんが(B)と(A)の重なる部分で、「(本当の意味で)似合う髪型」を提案してくれます。

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