そして、この「好き」と「得意(センスがある)」には次のような方程式があると考えてください。
筆者は長所をこのように捉えています。ですから、子どもの「好きでありしかも得意である領域」を伸ばしていくと、子どもは水を得た魚のようになるといつも語っています。
しかし、「好き」と「得意(センスがある)」の”交差点“が見つかる場合はいいですが、「好き」と「得意」が別々の分野である場合、問題が起こります。
まさに、今回のご質問はそのケースです。体操は得意だけれども好きではない、ピアノは好きだけれどもそれほど上手ではないというケースです。その場合、体操とピアノに対してどのようにすればよいか親としての対応はとても迷うことでしょう。
想定される4つのケース
「好き」と「得意」が異なる場合、次の4つのケースが考えられます。
「得意」であると自己肯定感が上がり、自分に自信がつくため、「好き」になる可能性は高まります。しかし、そこには大きな落とし穴がある場合があります。このケース1よりは少ないですが、次のケース2もけっこうあるようです。
「得意」である場合、比較的短期間でできるようになってしまいます。すると、すぐに満足レベルに到達してしまい、“飽きてしまう”状態になりかねません。すると、その「得意」分野では成長せずに一定レベルで終わっていきます。
例えば、大人で言えば、ゴルフで初めてコースに出て100を切ってしまうとか、短時間で創作料理ができてしまうなどです。子どもの場合で言えば、鉄棒で数回練習しただけで逆上がりができてしまうとか、あまり練習していないのにピアノがスラスラ弾けてしまうなどです。
もちろん、このような状態にある場合、一時的にテンションは上がるでしょうが、ゴールまでの到達があまりにも短時間すぎてしまい、本人にとってはそれで満足してその段階で終わってしまいます。もし満足せずにより高いゴールを設定すれば、伸びていきます。いずれにしても、本人が“簡単にできてしまったこと”をどう捉えるかによります。
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