「ロッキー」「ライズ」に見るカーナビ戦略の迷い ダイハツコネクトがDCMを搭載しない理由

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今回のロッキー&ライズメディア試乗会では、試乗前の商品プレゼンでロッキーから新規採用となるダイハツコネクトについての説明があった。

ところが、ダイハツコネクトとトヨタの「Tコネクト」、またそれらとディスプレイオーディオとの関係性について、この分野を定常的に取材している筆者でも、プレゼンの後に担当者に詳しい話を聞いたうえでないと理解できない内容だった。

ダイハツコネクトはDCM未搭載

こうした状況は、われわれメディア関係者だけではなく、ディーラー関係者も同じだ。開発担当者が全国のディーラー本部をすべて巡り、丁寧な説明を心がけたという。

では、ダイハツコネクトに関して順に説明しよう。

ダイハツコネクトのサービス内容を示した展示とデモ機(筆者撮影)

ダイハツコネクトは、事故や故障時にお客様サポートする「つないでサポート」、車検・定期整備・リコールなどプッシュ型で通知する「つないでケア」、遠隔地からクルマの発進・停止、また設定エリア内での走行など家族による高齢者の見守りにも使える「見えるマイカー」、そして駐車位置などが確認できる「見えるドライブ」など、ダイハツ独自のサービスで構成されている。これらサービスの利用は無料だ。詳しくはダイハツのホームページを参照いただきたい。

ここで気がつくのが、ダイハツコネクトとTコネクトとは大きな違いがあることだ。

ダイハツコネクトにはDCMが装着されていない。「検討はしたが、現状ではコスト優先で未装着とした。将来的にはどうなるかわからない」とダイハツ関係者は言う。DCMがないため、Tコネクトと同じサービスは行えない代わりに、ダイハツならではのユーザーの実生活に寄り添ったサービスの開発を心がけたことになる。

コスト優先の話については、衝撃被害軽減ブレーキやアクセルとブレーキの踏み間違い防止装置などの安全機能「スマートアシスト」を、それまでの市場価格10万円の半額となる5万円で設定し、ダイハツとしての実績を重視した。

今回は、DCMではなく車載器とスマホをBluetoothでつなぎ、スマホをDCM代わりにデータ送受信機として活用する。データ通信量として毎月0.1~0.2GBを使うため、車内Wi-Fiサービスの月1GBプランを3年間無料にすることでメーカー側が負担する形とした。これも、Tコネクトとは違う考え方である。

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