若者が「モクテル」に飛びついた納得の事情 「変わった行動」の中にある潜在ニーズとは
市場とは、消費者のニーズの総量です。例えば、喉の渇きを止めたいというニーズに応えるために飲料市場があります。ニーズを持つ消費者の数、ニーズの発生頻度、ニーズの解消にかかる費用、すなわち人数×購買頻度×購入金額の掛け算でおおよその市場規模は算出できます。
そう考えると、売り上げを増やすためにマーケターが何をしなければならないかが見えてきます。ニーズに応えることです。より多くの消費者のニーズに応える商品・サービスを開発すれば人数が増え、頻度が増え、今より市場規模は大きくなります。
しかし、必ずと言っていいほど、一定を越えるとニーズは枯れます。ニーズを持つ人数や購買頻度には上限があるからです。購入金額を上げない限り、市場は飽和と呼ばれる停滞期に突入します。
停滞期を打破するためには、新たなニーズを発見し、それを満たすしかありません。しかし、なかなか見つからないものです。なぜなら追い求めているのは自社だけでなく競合含めて大勢いるからです。結果的に、すでに他社が満たしているニーズに乗っかる商品・サービスの開発が大半となります。
そうした状況が続くと「あの会社はまねしてばかり」と陰口を叩かれ「わが社はモルモット」と自慢され、役員からは「きちんと消費者を見ろ!ニーズをつかめ!」と怒鳴られます。
消費者が実際に求めているのは?
しかし「消費者を見る」といっても、グループインタビューやデプスインタビューなどのマーケティングリサーチをすれば済むのでしょうか。「すでにやってますけど見つかりません」というマーケターが多いのではないでしょうか。
どのように消費者を理解すれば、新たなニーズは見つかるのかについて考えます。
消費者は価値を感じるから商品・サービスを買います。言い換えると、消費者が買っているのは商品・サービスですが、実際に求めているのは商品・サービスがもたらしてくれる便益(ベネフィット)であり「価値」です。
T・レビット教授は「市場の変化に即したマーケティング」と題した論文の中で「4分の1インチのドリルを購入した人々が必要としているのは、直径4分の1インチの穴である。化粧品を買った人々が本当に求めているのは希望である」と記しました。
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