ファッション先端の街で見る「クルマの装い」 自動車の専門家がトレンドチェックに挑戦!

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トレンドウォッチだから、むろん新しいクルマが中心になる。そして、車種、ボディカラー、内装、乗っている人の人と形、装い、等々に目を向ける。

短いときで2~3時間、長いときは5~6時間同じ場所に立ち続ける。時には時間帯を変えて2回立つことも……。

それも「集中」して。集中しないと、とくに、乗っている人の観察が散漫になってしまう。

顔立ちや装い、ちょっとした振る舞いあたりから、年齢、職業、社会的地位、裕福さ、インテリジェンス等々を勝手に推測。それを僕の経験則にのっとってあれこれ分析し、トレンドに結びつけてゆく。

変則二刀流で楽しんでいきたい

シンプルに言えば、「ファッションの先端を行くような街で、どんなクルマに、どんな人たちが、どんな装いで乗っているのか」を見て分析して……旬なトレンドを、これから火がつきそうなトレンドを予測するわけだ。

クルマはボディカラーによって大きくイメージが変わる。だから、新たなトレンドになりそうなボディカラーを見つけ出すことも重要なポイントの1つだった。

僕が持ち帰った情報は、クルマのページだけではなく、雑誌全体の編集の方向を左右することも少なくなかった。そんなことだったから、楽しくて仕方がなかった。

僕は「気づき」という言葉をよく使うが、クルマを見て、人を見て、 街を見て……どれだけの気づきが得られるかをつねに意識している。

「気づき意識」の有無で、ものの見え方は大きく変わる。気づきが気づきを生み、いろいろなものが見えてくるのは、とても楽しいことだし、生産的なことだとも思う。

僕は「自動車ジャーナリスト」だから、クルマを激しく走らせ、限界領域の挙動をチェックするのも好き。でも、街角に長時間突っ立って、いろいろな想いを描き、考えを膨らませてゆくのも好き……。

これからもまだまだ、こうした変則二刀流で楽しんでゆこうと思っている。

(文・岡崎宏司)

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