ファッション先端の街で見る「クルマの装い」 自動車の専門家がトレンドチェックに挑戦!

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で、その次が「写真と文 岡崎宏司」という展開になる。もともと写真は好きだったので、この流れはうれしかったが、当然緊張もした。

とはいえ、プロのような計算し尽くした写真を撮ろうとは考えもしなかった。感じたものを感じたままにシャッターを押す……それ以上のことはしなかったということだ。

だから、楽しかった。あるメーカーのカタログの「写真と文」を受けたこともあるが、そのときも依頼先に「その旨」を伝え、了承していただけたので引き受けた。

カタログともなれば、当然、広告代理店のサポートチームも出てくるし、スタッフ7~8人と各種サポート機材を積んだ大型バンも来た。

僕が描いたシナリオは、若い女性の朝から夜までの1日をストーリー化するといったもの。当時売り出し中の若い女性モデルが選ばれたが、かわいそうだった。

「プロのモデルさんはプロのカメラマンが撮る」のが当然。なのに、モデルさんなど一度も撮ったことのないド素人の僕が撮るのだから、さぞかし戸惑っただろう。

しかも、大げさな仕掛けなど一切ないし、僕が持っているのは普通の35mmカメラ2台と数本の交換レンズだけ。僕が使えないから、レフ板1枚さえ使うこともない。

でも、彼女はプロだった。僕が考えていた大ざっぱなストーリーを撮影前に話しただけで、動き、ポーズをとり、表情をつくってくれた。

それがまたすてきだった。僕はシャッターを押すだけでよかった。彼女のお陰で、僕が想像していたよりはるかにすてきな写真が撮れた。依頼先の担当者も喜んでくれた。

素人カメラマンには「ありえない体験!」をしたことになる。関係者の方々にはただただ感謝のみだった。

ちなみに、そのカタログの総ページ数は27ページ。その内、表紙/裏表紙を含めて17ページが僕の写真と文で構成された。

最先端を行く街で最新のクルマを品定め

そんなあれこれの次に来たのが、表題の「トレンドウォッチ」なる仕事。

有名ファッション誌編集長からの直々の依頼。ざっくり言えば、「世界のファッションの先端を行く街で、最新のクルマのトレンドがどうなっているか……岡崎さんの目と感覚でつかんできてほしい」といった依頼だ。

僕はすぐ引き受けた。「こんな楽しそうな仕事なんて、そうそうあるもんじゃない!」というのが引き受けた理由。

ウォッチングする街をどこにするかを決めるのが最初の仕事だが、ミラノ、パリ、ミュンヘン、ロンドンをメインにするという提案はすぐOKがでた。

で、何をするのかというと……「ここ!」と決めた定点に立って、前を通り過ぎるクルマを注意深く「ウォッチング=品定め」するのだ。

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