ドイツの景気が日本よりも落ち込んでいる理由

ユーロ経済のカギ「ドイツ、自動車、財政出動」

また、中国との結びつきが強かったこと以上に構造的な問題をドイツは抱えている。それは依然として国内が輸出拠点としてのパワーを持ってしまっていることだ。ドイツの輸出依存度(輸出÷実質GDP)は40%弱と日本の20%弱に比較してかなり高い。世界輸出に占めるドイツの存在感は中国の台頭と共に日本が小さくなっていたことに比べると、しっかりと維持されている。

この背景としてはシュレーダー政権下での労働市場改革(いわゆるハルツ改革)を通じて国内生産コストが押し下げられていたことや州単位での権限を拡大させたことなどによる競争力の高い中小企業(ミッテルスタンド)の存在など、前向きな論点が指摘されることも少なくない。

「永遠の割安通貨」で輸出依存度は高いままに

だが一方、「永遠の割安通貨」である共通通貨ユーロの存在や東欧からの安価な労働供給なども国内に生産拠点を残置させる誘因として大きかったであろうことは想像に難くない。

輸出拠点としてのパワーが残っているということは国内で雇用を創出するパワーも残っているということだ。ゆえに、これが巧く回っている時には「強み」として大いに持てはやされる。しかし、「強い輸出にけん引された経済」というのは、海外の経済・金融環境という所与の条件が変われば今までの「強み」が一気に「弱み」に転じ、景気全体を押し下げる。

2005~06年の円安バブルと呼ばれた時代、日本の製造業は薄型テレビなどの輸出を通じて大きな利益を上げた。そして円安環境を前提としつつ国内の生産能力を増強した。しかし、危機を経て為替が円高に振れると、外需が一気に縮小し、業況が一変した。もちろん、今次減速局面に金融危機ほどの震度を見て取ることはできないが、昨年来の世界経済減速の中で失速を強いられているドイツの姿はリーマンショック後の日本の姿と被るものがある。

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