ドイツの景気が日本よりも落ち込んでいる理由

ユーロ経済のカギ「ドイツ、自動車、財政出動」

ユーロ圏の成長は牽引車であるドイツ次第(写真:ロイター/FABRIZIO BENSCH)

世界的に景気の底入れを期待するムードが広がる中、依然として欧州・ユーロ圏は精彩を欠く状況が続いている。製造業PMI(購買担当者景況指数)はドイツを中心として惨憺たる状況が続いており、最新10月時点ではフランスだけが辛うじて好不況の分かれ目とされる50をなんとか維持しているような状況だ。主要国でも突出している「弱さ」の理由はどこにあるのだろうか。

最も大きな要因としては経済が外需依存構造であること、とりわけ主力の輸出品である自動車販売が世界的に停滞していることがよく挙げられる。2018年を例にとれば、世界の自動車輸出の4分の1以上がドイツ、フランス、イタリア、スペインからの輸出であるから、自動車業界全体の浮沈がそのままユーロ圏の景気を左右してしまう部分がある。

2つの要因による自動車生産の縮小が直撃

10月の世界経済見通しでもIMF(国際通貨基金)は自動車産業の停滞について相応の紙幅を割いて分析を披露しており、2018年は金融危機後で初めて自動車生産が縮小した年として問題意識を示している。この背景は2つある。いずれも広く知られた論点だ。1つは中国の小型車減税が廃止されたこと、もう1つは欧州において厳格な排ガス基準が導入されたことである。

前者については2015年10月から導入されていたもので、本来は2016年に終了予定であったが2017年も減税幅を圧縮した上で継続されていた。2018年はこの反動で中国市場が低迷したという話である。財・サービスへの時限的な減税(≒値下げ)は当然、需要の先食いを生む。2018年から2019年にかけてはその影響が色濃く出ていると考えられる。

後者については、新たな排ガス基準に対応する自動車の生産が立ち遅れていることや規制対応によって生産コストがかさんでいることなどが生産・販売の動きを抑制したと考えられている。中国の減税終了の悪影響に関しては短期的な下押しで収束する見通しだが、環境規制対応に伴う需要減は中期的に残る構造的な要因だとの見方もある。

世界の鉱工業生産の6%弱を占める自動車産業の不調が昨年来の世界経済の減速の背景にあることは重要な事実であり、先行きを展望する上でも見逃せない。そして、国別に見れば、やはり中国そしてドイツが足かせとなったことが明白である。よく知られている両者の政治・経済的な結びつきの強さを踏まえれば、相互連関的に経済環境が悪化したことも推測される。

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