ジリ貧の「東京モーターショー」は再び輝けるか 10月24日に開幕、異業界からの出展も際立つ
2年に一度開かれる国内最大の自動車の祭典、「東京モーターショー2019」がいよいよ10月24日に開幕する。開幕前日の10月23日には自動車メーカー各社がメディア向けに最新のコンセプトカーや市販モデルを発表する。主催する日本車メーカーの業界団体、日本自動車工業会(自工会)は入場者数の減少を止めるため、今年はプライドを捨て、従来の殻を破る決意だ。
「車の未来の姿をモーターショーという車単体のイベントで伝えていくのは難しい。CES(家電見本市)のように、さまざまな産業とともに生活全体の未来を示す場にモデルチェンジしていかないといけない。そうでなければ、ジリ貧のまま、東京モーターショー自体が終わってしまう」
自工会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は9月に行われた事前説明会で東京モーターショーの置かれた厳しい現実を語った。引き合いに出したアメリカのラスベガスで行われるCESは入場者数こそ17万5000人(2019年)ほどだが、4500社が出展する業界関係者の一大イベントだ。
目標入場者数は100万人
対する東京モーターショーの今年の出展社数は187社で、業界関係者も来場するが、どちらかといえば一般向けの性格が強い。バブル絶頂の1991年には史上最高の200万人を超えたが、国内の新車販売の縮小に伴って集客力が失われてきた。前回の2017年には77万人まで落ち込んだ(下図)。
反転攻勢に向け、豊田会長は東京モーターショーを「モビリティのテーマパーク」「誰もが知るお祭り」への大胆な変革を打ち出し、入場者数を100万人とする目標をぶちあげた。高校野球、箱根駅伝、高知のよさこい祭り、徳島の阿波踊りのように誰もが知るイベントは来場者が100万人規模であり、東京モーターショーをそのぐらいの認知度にまで高めたいというのが100万人を目指す理由だ。
ただ、前回比3割増の実現は決して容易ではない。それは豊田会長自身も理解しており、「自動車を軸にした展示では、今の実力値から行くと頑張ったところで70万人が限度。残りの30万人をいかに新しい軸で持ってくるか」と話す。
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