ジリ貧の「東京モーターショー」は再び輝けるか 10月24日に開幕、異業界からの出展も際立つ
かつて東京モーターショーは世界5大モーターショーの1つと言われたが、今はそのポジションは完全に北京や上海に奪われた。世界最大市場を抱える中国がアジアのみならず世界のモーターショーをリードする。
海外勢の東京モーターショー離れが進み、前回34だった東京モーターショーの出展ブランド数は今回23に減少。アメリカやイタリアの大手は以前から出展していないが、今年はドイツ大手のBMWやフォルクスワーゲンが不参加で、主要な海外メーカーはダイムラーとフランスのルノーぐらいだ。
ただ、転換期を迎えているのは東京だけではない。9月にドイツで開催されたフランクフルトモーターショーは不参加の国外ブランドが目立ち、入場者数は前回の81万人から56万人にまで3割も減少した。毎年1月に行われるアメリカのデトロイトモーターショーは同時期に行われるCESに人気を奪われ、2020年からは6月開催になる。
あえて新型車を発表しないケースも
新型車の情報にインターネットで自由にアクセスできる時代になった今、車を見るためにモーターショーに足を運ぶ意義が弱まってきていることは自動車業界に携わる多くの人が認める。
自動車メーカーも新型車の発表をどこでどのように行うか、費用対効果で厳しく見極めるようになった。トヨタ自身、今年のフランクフルトモーターショーへの出展を見送った。ヨーロッパが世界販売の3分の2を占める新型ヤリスの発表会を元々は秋に予定していたが、フランクフルトへの出展がなくなったため、10月中旬にオランダと日本でワールドプレミアを行った。
大規模なモーターショーでは世界初公開の車両が多く、あまりのニュース量に埋もれる可能性がある。その点、自社が単独で開くワールドプレミアはニュースとして取り上げてもらいやすい。
とはいえ、モーターショーの開催国が自動車メーカーの母国となればその位置づけは特別だ。トヨタは自工会会長企業として、かつ、来年の東京オリパラの最上位のスポンサーとして、ワールドプレミアの車両を数多くそろえた。
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