マンション市場は値下げ継続で底打ちでも、本格回復は11年以降か《特集・不動産/建設》
中堅、中小デベロッパーの間では最近、マンションやビルを地主との等価交換方式で建設するケースが増えているといわれる。また、買い取り再販事業でも1棟買いの資金を一括支払いせず、売れた戸数分だけ返済するなど“省資金”型の事業形態も増えてきた。
背景には用地取得など中堅・中小デベロッパーに対する金融機関の融資姿勢の厳しさがある。その結果、昨年以降、倒産など市場から撤退するデベロッパーも相次いでいる。今年は5月のジョイント・コーポレーションの倒産以降は沈静化しているが、マンションコンサルティング会社、トータルブレインの久光龍彦社長は「金融機関は前期決算で危ない会社を引き当て済みなので、年内が選別のピークになる」と見ている。
昨年初めからのデベロッパーの相次ぐ経営難から、マンション供給は大幅に減少している。不動産経済研究所調べのマンションの供給戸数を見ると、08年の供給戸数は4・3万戸。これは4年前の05年からするとほぼ半減だ。今年も前半段階で1・6万戸。年間通じても4万戸割れは必至で、3・5万戸程度で終わる可能性が濃厚だ。4万戸割れとなれば、バブル崩壊直後の1992年以来、17年ぶりになる。