マンション市場は値下げ継続で底打ちでも、本格回復は11年以降か《特集・不動産/建設》


 業界関係者は「場所柄、ブランドよりも売りやすさを追求したのだろう」と見る。結局、「売れることと利益が出ることは別物」(大京IR担当)で、大手デベロッパーにとっても低採算の“消耗戦”が続いていることを示している。

マンション市場の本格的な回復については、11年以降というのが業界のほぼ一致した見方になっている。理由は、今年に入って下落した用地代や建築費が新規分譲物件に反映されるには、最低でも1年半の時間がかかるためだ。

ここから先は、どれだけ有望な用地を取得できるかが、デベロッパーの優劣を決めることになるが、あるデベロッパーは「生き残っているところは体力もあり、用地取得競争は厳しい」と言う。その意味では資金パイプの太さが重要になってくる。このため、大京は前期に在庫処分を急ぎ、3月には大株主のオリックスに対して第三者割当増資100億円を行っている。また、野村不動産ホールディングスも6月に公募増資で650億円を調達、そのうち「300億円を用地取得に使う」(鈴木弘久社長)予定だ。

ただ、大手中心のマンション市場の形成について、ある業界関係者は「7万~8万戸の潜在的な需要に対して、供給が4万戸以下では購買層の選択肢として少なすぎる」と話す。このため、トータルブレインの久光社長は「中堅・中小デベロッパーに対して、事業性を評価するプロジェクトファイナンス方式で融資するように、金融機関も転換すべき時だ」と言う。底打ち感の出てきたマンション市場だが、正常化にはまだ紆余曲折がありそうだ。

(週刊東洋経済)

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