「ペット飼う高齢者」が直面する厄介すぎる問題 家が「ゴミ屋敷」「死体だらけ」になる危険も
それでも、自宅にはまだ猫が6匹もいるのだ。
私が「猫のために長生きしないといけないですね」と声をかけると、「私が死ぬまでには2匹ぐらいにしてあげないと、娘が大変。猫は嫌いじゃないけど、私みたいにたくさんの猫の世話をするのは無理だから。それに、娘に言われるんですよ。ママがいつ亡くなるかわからないのに、そんなに猫を残されたら困るのは私なんだからねって」と苦笑する。
確かに親と同居しているからといって、子どもが親のペットの世話を押し付けられる道理はない。子どもには子どもの生活があるのだ。とはいえ、命ある生きものを捨て置くことはできない。否が応でも子どもに負担がかかってくる。
こうした高齢者とペットの問題は、介護の現場でも浮上している。何匹もの猫を飼っていて十分に世話ができず、押し入れの中に子猫の死体があったり、ブラッシングされず、まるで毛糸の塊のようになってしまった犬がいたりする。
利用者の中には、ヘルパーにペットの世話を頼む人もいるが、現行の介護保険制度では、ヘルパーの仕事内容がきっちり決められており、ペットの世話はできないことになっている。もちろん、保険外サービスで自費負担すれば、ヘルパーがペットの世話をすることは可能だが、年金暮らしの高齢者にそれを望むのは難しい。
高齢者がペットを飼うリスク
高齢者がペットを飼うことは、心が癒やされて精神が安定したり、世話をすることで身体の機能を維持する効果もある。しかし、飼い主が70代、80代ともなれば、ペットの世話ができなくなるというリスクも伴う。
高齢の親がペットを飼っているという人は、何かあったときにどうするか、事前に考えておく必要があるだろう。自分が引き取れない場合は、誰か頼める人を事前に探しておくなり、動物愛護団体に協力してもらい、自力で里親を探すなりするしかない。
お金に余裕があれば、終生飼養してくれる老犬ホームや老猫ホームに預けることもできる。また、親が有料老人ホームや特別養護老人ホームに入居する場合でも、施設によってはペットと一緒に同居できるところもある。今から情報を集めておくことが大切だ。
いずれにしても、ペット飼う際には、自分の年齢を考えて最後までペットの面倒を見ることができるか、真剣に考える必要があるといえるだろう。
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