がん情報のネット検索で絶対に外せない6原則 信頼できる発信元選び、つけこまれないために
もっともがん治療が進展し、告知が当たり前になったとしても患者は告知を受けた瞬間には相当動揺するものだ。しかも、最近では告知直後から具体的な治療方針の決定までに1週間程度時間を要するケースもある。
これは肺がん、大腸がんを中心に個々の患者のがん細胞を検査し、その増殖の原因遺伝子を調べ、それに合わせた薬を選択する「個別化医療」が進展し、がんと確定してからこの検査の結果が出るまでにそのくらいの時間を要することがあるからだ。
この間、どうしても患者は自分のがんに関してより詳細な情報を知りたいと思うのは当然だろう。かつて治療方針については、主治医しか情報源がなかったが、今ではインターネットで誰でも情報を手に入れることができる。この結果、現在ではがん告知直後からインターネットを駆使して情報検索をする人が増えている。
だが、ご存じのようにインターネット情報は玉石混淆である。このときの検索の仕方次第では誤った情報に巻き込まれ、時間とお金を無駄にすることさえある。
拙著『二人に一人がガンになる ~知っておきたい正しい知識と最新治療~』でも解説しているが、まず、がんに関してインターネットで情報を検索する際、やるべきことを主に3つ提示しよう。
公的機関の情報は信頼できる
(1)国公立私立医学部・医科大学附属病院や国の研究機関のホームページへアクセス
がんに関して正確な情報がある代表格が国公立私立医学部・医科大学附属病院や国の研究機関のホームページ。まずは自分の居住地に最寄りのこうした医療機関・研究機関などのホームページ内で情報を検索する。もっともこれらホームページの記載情報は、量や記述内容のわかりやすさなどは医療機関・研究機関ごとに差がある。
その意味では万人にお勧めできるのが、国立がん研究センターが開設している「がん情報サービス」のページ。同ページでは肺がんや大腸がん、乳がんなどの医学的には固形がんと呼ばれる各臓器に発生するがんのほかに、白血病などの各種血液がん、肉腫など患者数の少ないがんまで広くカバーし、基礎知識、診断確定に必要な検査の種類やその詳細、現在の標準的な治療方法、療養に当たっての注意点などが網羅されている。
また、これら各種がんごとの解説は、患者向け冊子のPDFファイルも公開され、無料でダウンロードも可能である。
また、「がん情報サービス」ではがん患者が使える公的な制度、がん治療中の注意点などの情報も掲載されており、国内医療機関・研究機関などのホームページで最も情報量が充実している。
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