セブン、「沖縄モデル」で物流改革を急ぐ背景 多頻度配送や物流網をゼロベースで見直し

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セブンの歴史を振り返ると、30年前は1日2回、おにぎりや弁当などを配送していた。しかし、より新鮮な商品が並ぶのが一番望ましいと、1990年ごろから朝昼晩すべてのピーク時間帯に1日3回配送する仕組みに変えた。冷凍食品などと合わせると、1日あたりの配送回数は9回が基本となった。

ただ、積載効率を高めるためには配送回数はできる限り少ない方がいい。そこで2013年ごろから、北海道や九州など店舗間の距離が遠い一部地域で、20度帯とチルド帯の商品を同時に運べるトラックを利用し始めた。その結果、冷凍食品を合わせた1日あたりの配送回数は6回へ減少させることができた。

こういった配送回数削減の流れが背景にあって初めて、多頻度配送や物流網を抜本的に見直す沖縄モデルが可能になった。

沖縄モデルを全国に展開

セブンは今後、沖縄モデルの全国展開を狙っている。しかし、発注の締め切り時間変更は、取引先のシステム変更や加盟店の勤務シフトにも影響が及ぶため、導入はそう簡単ではないだろう。一方で、一定の地域では配送回数を減らした実績があり、比較的取り組みやすいかもしれない。

青山氏は「私が1981年に入社した時には、24時間営業している店舗は全体の3割程度でしかなかった。そのときは1日2便態勢で、物流が機能していた。今後、全国的に時短営業が増えても、物流が大きく崩壊することは考えにくい」と強調する。

業界を取り巻く環境が変わる中で、コンビニを支える物流などの仕組みも大変革を迫られている。セブンの沖縄での取り組みは、コンビニ業界の将来を左右するものになるかもしれない。

遠山 綾乃 東洋経済 記者

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とおやま あやの / Ayano Toyama

東京外国語大学フランス語専攻卒。在学中に仏ボルドー政治学院へ留学。精密機器、電子部品、医療機器、コンビニ、外食業界を経て、ベアリングなど機械業界を担当。趣味はミュージカル観劇。

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