セブン、「沖縄モデル」で物流改革を急ぐ背景 多頻度配送や物流網をゼロベースで見直し

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店舗に陳列する商品数も大きく減らした。おにぎりや弁当など中食工場で作られる商品の品目数は最大3割超減っている。沖縄以外の大規模な工場では通常、120品目を製造するが、沖縄の工場では80~100品目に絞り込まれている。

加えて、おにぎりやサンドイッチ以外の、製造に手間がかかる弁当などの商品は夜間に製造するものを減らした。その結果、中食工場では夜勤の人手を減らすことができ、廃棄ロスの削減につなげることができた。

さらに、商品発注の時間を早めた。店舗が本部に対して商品を発注する翌朝のピーク向け時間帯の締め切り時刻は、沖縄以外の地域では午前11時が通例だが、沖縄では午前9時に早めた。昼と夜のピーク向け時に対応している発注内容の修正も、沖縄では対応しない。商品発注時刻を早めることで、工場や配送に余裕が生まれる。

店舗ごとの仕分け作業は配送センターで

そして、仕分け作業も集中化させた。通常、おにぎりや弁当など中食工場でつくられる商品は、工場で配送先の店舗単位に仕分けし、配送センターに送られる。飲料やアイスなどメーカーから納入される商品は配送センターに送られ、配送センターが店舗ごとに仕分けをする。

「沖縄での実験に手ごたえを感じている」と自信を見せる青山氏(記者撮影)

それを沖縄では工場で仕分けを行わず、店舗ごとの仕分けはすべて配送センターで行うことにした。その結果、工場のスペースが空き、仕分けの人手も削減された。

とはいえ、配送便数を減らし、発注の締め切り時間を早めた結果、十分な商品量を並べることができずに販売機会ロスを発生させてしまっては元も子もない。この点、青山氏は「沖縄で大きな問題は起きておらず、(沖縄モデルの)実験に手応えを感じている」と言う。

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