マツダが電気自動車「MX-30」で目指す新境地

ハイブリッドにはロータリーエンジンを採用

この頃、マツダは技術開発の長期ビジョン「サスティナブル“Zoom-Zoom”宣言」を発表しており、その中の1つである「ビルディングブロック戦略」にはこう記されていた。

「クルマの基本性能を決めるエンジンや車両の骨格など、ベース技術を徹底的に改善し、その上で電気デバイスを組み合わせることで、CO2の総排出量を大幅に削減する」

とは言うものの、電動化に関して積極的な展開が見えていなかったのも事実で、2012年に「デミオ」ベースのEVを中国地方の自治体や企業を中心とするリース販売(100台)や2013年に登場した3代目「アクセラ」にハイブリッドモデルが設定されたくらいだった。

プリウスのシステムを活用

とくにアクセラ・ハイブリッドはリーマンショック以降、トヨタ「プリウス」を中心としたハイブリッドカーの人気が飛躍的に高まったことから「ハイブリッドがないと商売にならない」という危機感から生まれたモデルで、独自の開発は難しいとの判断により、トヨタ自動車からプリウスのハイブリッド技術をライセンス供与される形で作られた。

パワートレインは、2.0L-NAの「スカイアクティブG」に2つのモーターと動力分割機構、ニッケル水素バッテリーを組み合わせるトヨタの「THS-Ⅱ」の組み合わせ。システム合計出力は136ps、燃費はJC08モードで30.8km/Lとプリウスとほぼ同等の性能を備えるが、驚くべきポイントは本家をしのぐ「ドライブフィール」にあった。

当時のTHS-Ⅱは、加速感とエンジン回転数が合わない「ラバーバンドフィール」がウィークポイントだったが、マツダは独自の制御チューニングにより、操作に対して自然なフィーリングに仕上がっていた。クルマとしては非常に優れたモデルであったが、ビジネス的には大失敗……。今年、登場した後継モデルとなる「マツダ3」にはハイブリッドモデルの設定はなかった。

現在、電動化は世界の自動車メーカーが生き残りをかけるための重要な経営改題の1つとなっているが、「内燃機関の理想の追求」にこだわるマツダはどう考えているのか?

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