マツダが電気自動車「MX-30」で目指す新境地 ハイブリッドにはロータリーエンジンを採用

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マルチソリューションによるメリットは数多い。モーター/インバーター/DC-DCコンバーター/ジャンクションBOXの一体化によりユニットの小型化が可能となるほか、床下に適切な量のバッテリーパックが薄く配置されることにより、内燃機関モデルと同等の居住性を実現する。

正面から見た「MX-30」(撮影:尾形文繁)

一方、プラットフォームは他社のような専用品ではなく、マツダ3から採用された多方向環状構造ボディーを用いる次世代プラットフォーム「スカイアクティブビークルアーキテクチャー」だ。驚くのは、このプラットフォームが企画当初から電動化を視野に入れた設計であったこと。

企画・検討のスタートは2015年と聞くが、このタイミングで電動化も含めたさまざまなパワートレインに対応できるプラットフォーム構造を掲げていたメーカーは数少ない。

つまり、マツダは電動化に否定的だったのではなく、そのときのために黙々と下準備を行っていたというわけだ。多方向環状構造ボディーの進化により、バッテリーパックと車体を強固に結合することで、車体剛性はマツダ3/CX-30よりも高まっている。

ロータリーエンジンの強み

マルチソリューションとして組み合わされる内燃機関は「ロータリーエンジン」である。マツダは、2012年にRX-8の生産を終了して以降、2015年の東京モーターショーで世界初公開されたコンセプトカー「RX-VISION」に次世代ロータリーエンジン「SKYACTIV-R」を搭載すると発表。その後は音沙汰なしの状況が続いていたので心配していたが、ついに復活を遂げるのだ。

しかし、現時点では1ローターであること以外の詳細はなし。ちなみにロータリーエンジンの排気量は499cc(10A)、573cc(12A)、654cc(13B/20B)、約800cc(かつて開発中と言われていた16X)があるが、はたしてどれをベースにしているのだろうか?

軽量で高いレイアウト性を持つことに加え、動弁系なし/シンプルな塊構造/滑らかな燃焼/フルバランスというロータリーエンジンのメリットが時を超えて電動化技術に役立つと思うと、感慨深いものがある。今回は技術展示のみだったが、量産された際にはマツダの主力パワートレインの1つとなるはずなので、非常に楽しみだ。

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