円谷プロ「ウルトラ怪獣」が絶対悪ではないワケ

小山薫堂「かいじゅうのすみか」への思い

『かいじゅうのすみか』案内人の放送作家・小山薫堂氏(左)と円谷プロダクション会長の塚越隆行氏(筆者撮影)

円谷プロダクションが2019年11月7日から東京ドームシティで開催する「かいじゅうのすみか」は、ウルトラQ、ウルトラマンシリーズなどに登場する”怪獣”が、どのようにして生まれてきたのか、人間世界とは異なる環境で生まれ育った怪獣のルーツをテーマとした体感エンターテインメントと、原作となる絵本を組み合わせたメディアミックスのプロジェクトだ。

絵本としての『かいじゅうのすみか』はすでに発売済みだが、イベントしての「かいじゅうのすみか」は、パナソニックが技術協力した多様な技術を用い、人間世界から怪獣の世界へと迷い込み怪獣世界を疑似体験できるよう工夫されている。

「怖くて可愛い、醜くて美しい、そして弱くて強い。」

すべてのものごとには表と裏、視点による景色の違いがあるものだ。このキャッチコピーを書いた、『かいじゅうのすみか』案内人の放送作家・小山薫堂氏はこのイベントに込めた思いを次のように語った。

「ウルトラQ、ウルトラマンといった円谷プロダクションが生み出してきた怪獣は、いずれも当時の社会問題の暗喩として描かれていました。社会問題が生まれる理由があるのと同じように、どの怪獣にもバックストーリーがあります。『かいじゅうのすみか』を通じて親子でエンターテインメントとして怪獣の世界を楽しみながら、親子で身近な問題について向き合う機会になってほしい」

ウルトラマンの原点を探す取り組みから生まれた

円谷プロダクションは、長らく論争となっていたウルトラマンの著作利権に関するタイのチャイヨー・プロダクションとの裁判が決着し(参考記事:円谷プロ「ウルトラマン」、完全勝訴の全内幕)、グローバルにウルトラマンのコンテンツを展開できるようになってから、庵野秀明氏がプロデュースする実写映画『シン・ウルトラマン』が発表されるなど、ウルトラマン関連のコンテンツ展開に変化が生まれている。

こうした動きは現在、塚越隆行氏が円谷プロダクション社長(現在は会長)に就任してから加速したものだ。塚越氏は長らくディズニーの映像事業に関わり、ウォルトディズニースタジオジャパンの責任者を努めていたが、2017年に円谷プロダクションに移籍していた。

塚越氏は「長らくキャラクター事業に注力してきて、日本の誇るキャラクターでありながら、グローバルでの展開ができなかったウルトラマンを広めていきたい」と考え、円谷プロダクションへと移籍したという。

次ページウルトラマンの原点に立ち返った
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
  • 若者のための経済学
  • 最新の週刊東洋経済
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
  • はじまりの食卓
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
関西電力がはまり込んだ<br>「原発マネー」の底なし沼

社会を揺るがした関電首脳らの金品受領問題。本誌は関係者による内部告発文や関電の内部調査報告書などで、「持ちつ持たれつ」の関係に迫った。実態解明は第三者調査委員会に委ねられるが、原発推進への自傷行為となったのは間違いない。