堀江貴文「日本人は我慢力があまりに高すぎる」 自分にウソをつき、他人に合わせる無駄さ

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普段から言いたいことを言い、食べたいものを食べ、寝たいだけ寝るようにしているので、ぼくはストレスがまったくたまらない。イヤな人間や状況に出くわすこともあるが、あまりにも不愉快なときはその場で発散するようにしている。

本音を隠すたびに、他人の都合に合わせた人生に…

「自分時間」を生きたいのならば、極力、ウソをつかないほうがいい。

ウソをつくということは、相手の信じる現実にこちらが迎合する行為だから、ウソをつけばつくほど、その人は「他人時間」を生きなければいけなくなる。

日々の自分を振り返ってみてほしい。心の底ではくだらないと思っているアイデアに対して、つい「へえ、それはいいアイデアですね」などと言っていないだろうか? 本当は1ミリも納得していないのに、「なるほど。了解しました」と返事をしたりしていないだろうか? 余計なお世話だと感じているのに、「お心遣い、ありがとうございます!」などと頭を下げていないだろうか?

これだって立派なウソだ。本音を隠すたびに、あなたの人生は、どんどん「他人時間」で埋め尽くされていく。他人の都合に合わせた人生になっていく。

今から13年前、ライブドア事件の容疑者として東京拘置所の独房に入れられたときですら、ぼくはウソをつかなかった。こういうときは、検察サイドがつくりあげた明確な「ストーリー」が用意されており、容疑者がそれをすっかり飲み込むまでは、執拗に取り調べが続けられる。

しかし、彼らがこしらえた「筋書き」は、ぼくが知っている事実とはまったく違っていたし、そもそものロジックが破綻していた。

『時間革命 1秒もムダに生きるな』(朝日新聞出版)
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ウソをついてまでそれを認めても、何かメリットがあるようには思えなかったし、そもそもぼくは、自分の気持ちにウソをつくことに我慢がならない。だから、最後まで本音だけを語り、容疑を否認し続けることになった。

別に、「何があっても、絶対にウソをつくな」と言っているわけではない。「ウソも方便」という場面はあるかもしれない。

しかし、少なくとも「自分に対するウソ」だけはつかないほうがいい。

ストレスをため込みながら、本心に逆らって生きることに慣れてはいけない。自分の本音がどこにあるかすらわからなくなる前に、やりたいことをやって、言いたいことを言おう。

堀江 貴文 実業家

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ほりえ たかふみ / Takafumi Horie

1972年福岡県八女市生まれ。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者を持ち、2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」をスタート。『ゼロ』(ダイヤモンド社)40万部超、『本音で生きる』(SBクリエイティブ)30万部超などのベストセラーがある。近著に『10年後の仕事図鑑』(落合陽一氏との共著、SBクリエイティブ)など。

Twitterアカウント:@takapon_jp
その他詳細はHORIEMON.COM

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