「天下のメルセデス」を襲った品質低下の危機 リコールを繰り返し販売不振になった教訓

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(写真:LEON編集部)
メルセデスと言えば最善か無かを社是に、自動車の歴史を牽引し続けてきた。90年代から始まった熾烈なグローバリゼーションの波のなかで、メルセデスがたどった道とは?

「波もあれば風もあった」メルセデスの歴史

「メルセデス・ベンツ(以下メルセデス)は品質がよくて、安全性が高くて」、、世界中の多くの人たちはそう思っている。これは、ほとんど「神話」の域にさえ入っている。そして、スリーポインテッドスターを眺めながら「いつかはメルセデスに!」と憧れている。

メルセデスは自動車界最古の歴史を持っている。レースを筆頭に、無数の輝かしい歴史を持っている。物語面でもメルセデス・ブランドは輝いているし、品質と安全性の神話も長い歴史の中から生み出されてきた。

本記事はLEON.JPの提供記事です

そんなメルセデスだが、1886年の誕生から現在まで順調に来たわけではない。当然、波もあれば風もあった。そんな中で、僕が実際に立ち会った波風の多くは、1990年代から2000年代半ば辺りに起こった。

中でも「自動車産業グローバル化の波」は、老舗メルセデスに多大な影響を与えた。

時代の流れに対応し生き残りを図るため、コストダウンと利益向上、ユーザーの多様化といった戦略に取り組まざるを得なくなった。

結果、なにが起こったのかというと、メルセデスにあってはならないこと、、そう、「品質の低下」という重大な事態を招いたのだ。

1993年、名車190の後を受けて誕生したCクラス初期モデルの品質は受け容れ難いレベルだった。見た目品質だけでなく、走り味/乗り味も、多くの人が抱くメルセデス基準から遠く離れていた。

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