仕事道具として使いたい、最新「iPad」の選び方 キーボードと使うのか、ペン入力がいいのか
iPad Airと比較すると、iPadは縦横のサイズは250.6ミリ×174.1ミリと同じながら、1.4ミリ厚く、27グラム重い。そして画面サイズはiPad Airより0.3インチ画面サイズが小さい。それだけでなく、液晶の画面表示が表面ガラスから少し奥まったところに映っている。これはiPad Airのフルラミネーションによる薄型ディスプレーではない、よりコストを抑えたRetinaディスプレーだからだ。
Apple Pencilに対応しているため、ペン先を落とした場所と描かれる線画、見る角度によってずれているように感じるかもしれない。9msというペンの反応速度や精度は変わらないが、よりよい書き心地や、精密なペン体験を求めるなら、上位モデルとなるiPad AirやiPad Proを選ぶべきだ。
しかし書類に直しを入れる際にわざわざ定規で線を引いたり、ミリ単位のズレを気にしないのと同じように、前述のような細かい体験の精密さが、iPadでの書類への赤入れや手書きメモに大きな影響があるとは言えない。店頭で双方を試してみるとよいだろう。
Microsoft Office製品やEvernoteで書類作成しながら画面分割でメールやSlack、Facebook Messengerといったコミュニケーションアプリを利用する、といった効率的な作業環境を実現でき、最小構成ながら十分快適に使うことができるコンピューターと評価できる。
キーボードをサポートした点で、文字入力を伴う文書作成やコミュニケーションは、これまでのiPadや手元のスマートフォンに比べて格段にスピードが上がった。
ペン主体なら「iPad mini」
iPadより小さなボディーながら、強力なプロセッサーを搭載し、価格も高く設定されているのが第5世代目となったiPad miniだ。iPhone XSと同じA12 Bionicチップを搭載し、機械学習処理だけでなく、4Kビデオ編集も軽々こなす性能を誇る。
またフルラミネーションと呼ばれる技術によってディスプレーを薄型化し、カバーガラスのすぐ近くに画面表示がなされる仕組みとした。加えて、広色域P3にも対応し、精細かつ発色豊かで、小さい画面ながら映像が迫ってくるような体験を実現している。
iPad miniは、203.2ミリ×134.8ミリというサイズで片手でも十分握ることができるほどのコンパクトさ。そして6.1ミリと非常に薄く、300.5グラムという軽さだ。
キーボードには対応しないため、画面内に表示されるキーボードを両手で操作するしかないように思われるが、日本語についてはフリック入力に対応するため、例えば両手で握りながら右手の親指で日本語を入力することもできる。慣れている人であれば、音声入力でもよいだろう。
とはいえ、積極的な文字入力に向かないことは確かだ。どちらかというと電子書籍や雑誌の閲覧や、電車の中で立っていてもビデオを大きめの画面で楽しめるデバイス、としての性格は、これまでのiPad miniと変わらない。
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