距離計の精度が高くなった。双眼鏡タイプの赤外線使用のものか、GPS利用のポケットタイプか、2種類がしのぎを削っている。
キャディなしのセルフプレーが多くなると、ヤード木だけでは不安になる。グリーンの大きさ、ピンの位置で距離は変わるし、2グリーンの場合はうっかり逆サイドのヤード木で打ったりしてしまう。当初、レンズの双眼鏡タイプをプレーの友にしていたが、いちいち、のぞくのは面倒で、ポケットに収まらないのも厄介だった。それとピン以外の木や人に焦点が定まるとズレが生じるため、数回のやり直しが必要なときもある。ただ、傾斜を読み取る新式は強力で、打ち上げ、打ち下ろしの距離が正確、キャディ以上の力を発揮する。
一方、最近手放せないGPSのショットナビは、かなりの改良が加えられ、コース戦略の強い味方になった。グリーンセンターまでの距離だけだったが、今ではセンターとエッジまでの距離を表示、双眼鏡タイプのピンまでの正確さはないが、ピンポジションさえ確認すれば不便さは感じない。ほかにも、谷、木、林、池、バンカー等の障害物への距離と、越えるのに必要な距離もディスプレーに表れる。
さらに、各ショットの飛距離もわかれば、方位も示してくれるので、芝目のきついコースだと非常に役立つ。人工衛星が打ち上げられたときに、誰がゴルフ場で利用できるようになると考えただろう。日本のコースにも、カートにGPSナビを搭載するところが増えているが、ゴルファーにとっては大変ありがたい。
ハワイのゴルフ場ではナビだけでなく、スコア管理、飲み物や軽食の配達、プレー後のレストランのオーダーと、すべてがカートのパソコンがやってくれる。先頃、アメリカ軍のGPS衛星の寿命が発表になったが、かなりの衛星がアウトになる寸前だという。本来が軍用で打ち上げられたものばかりで、日本のカーナビをはじめとするGPS機能は、すべてアメリカに依存している。寿命がきても、代替衛星の打ち上げ計画が立たず、数年後には精度が狂い出すそうだ。それまではなにかと役に立つのだろうが、システムが急に破壊されたときにはかなり狼狽するだろう。
とにかく、人は慣れには弱い。短いアプローチでは、自分の見た目の距離がいちばん大切だと思うのだが、残り20ヤードでもナビを頼りにする人がいる。アプローチやサンドウエッジの溝が深いクラブを使っていると、フェースがボールにスピンをかけてくれる。ただナビが使えなくなったり、今度のルール改正のように溝の制限がきつくなった場合、道具にばかり頼っていた人は痛い目に遭う。
ドライバーの大きさ制限、ボールの制限、これらを早くやらないと、コースはどんどん長くなり、飛ぶ人と飛ばない人の差は広がるばかりである。これをなんとかしてほしい。
1947年秋田県生まれ。東京12チャンネル(現テレビ東京)アナウンサー出身。76年フリーに。現在は『とくダネ!』(フジテレビ系)や『嵐の宿題くん』(NTV系)、『小倉智昭のラジオサーキット』(ニッポン放送)の司会を務めるなど、幅広く活躍中。
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