「QBハウス」がアジアの時短市場を攻略 「日本クオリティ」で模倣店駆逐、世界一へ

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 最新
拡大
縮小
香港にあるシェル型店舗

出店計画も緻密だ。2003年に初出店を果たしたシンガポールは、当時すでに先進国。現地の人々は忙しく働き、新興国の人々に比べて、より時間に価値を感じるようになっていた。さらに、交通機関やショッピングモールなどのインフラも充実。まさに東京のような都市で、QBハウスの成功に欠かせない、人口・人口密度・所得水準・都市の成熟度・インフラといった条件をすべて満たしていた。2005年の香港、2013年の台湾も、満を持してというタイミングで進出した。

海外模倣店を「日本のクオリティ」で駆逐

「10分1000円」のような短時間×ヘアカット専門店という業態は世界でも同社が初めてだが、QBハウスの成功に便乗しようとする現地の模倣店舗が各国に散乱している。たとえば、シンガポールにはEC HOUSEというチェーン店があり、台湾にはCQ2など100店舗以上。ほかの国にも「QCからQZまであるんじゃないか」(広報担当者)。これまで数多くの模倣店舗が生まれては消え、を繰り返してきたという。

シンガポールにある模倣店「kcut」
次ページ参入障壁が低い業態で勝ち残るには?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT