ラグビー日本「次の南ア撃破」も期待できる理由 初のW杯8強進出はなぜ実現できたのか?

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大会は予選プール37試合(中止となった3試合を除く)が終了。観客動員数はのべ128万人を数える。13日のスコットランド戦は最多となる6万7666人が来場した。予選も決勝トーナメントのチケットもほぼ完売した。

組織委員会の嶋津昭事務総長は「日本全国からラグビーに元気をもらったという声をいただいている」とのコメントを発表した。むろん、日本代表の躍進がラグビー人気の盛り上がりに火をつけたのは疑いないところだ。

10月20日19時15分~東京スタジアムで行われる決勝トーナメント初戦で待ち構えているのは南アフリカ。4年前、「ジャイアントキリング」を成し遂げた因縁の相手だ。

南アフリカは、ニュージーランドのオールブラックスやイングランドと並んで優勝候補の一角に位置づけられる強敵。大型フォワードを中心とする密集周辺の突破力は脅威だ。ディフェンスも堅く、予選プールの対オールブラックス戦ではほぼ互角の戦いを演じた。

要注意なのは、フランカーのピーターステフ・デュトイと右ウィングのチェスリン・コルベ両選手。デュトイ選手は運動量が豊富。コルベ選手は切り裂くようなスピードが魅力のプレーヤーだ。170センチと決して大柄ではないが、ボールを高く蹴り上げキャッチ後のプレーを狙うハイパントなどの競り合いにも強い。

南アを破って4強進出も夢ではない

日本がスコットランド戦で与えた3つのトライはいずれも、攻撃やディフェンスの陣形が整っていない「アンストラクチャー」と呼ばれる状態が起点になった。うち、2本はタッチへ蹴り出したが、クイックスローインからの攻撃で崩されたものだ。

南ア戦ではこうした課題をどこまで克服できるかがカギになりそうだ。直近では、今大会開幕前9月6日のテストマッチで日本は南アに7-41で敗れている。

ただ、「ワールドカップ期間中にディテール(細部)の精度が一段と上がった」(日本代表の稲垣啓太選手)。驚異的ともいえる試合での修正能力を何度も目の当たりにしていると、いやがうえにも「次の試合もやってくれるのではないか」との期待が膨らむ。

松崎 泰弘 大正大学 教授

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まつざき やすひろ / Yasuhiro Matsuzaki

フリージャーナリスト。1962年、東京生まれ。日本短波放送(現ラジオNIKKEI)、北海道放送(HBC)を経て2000年、東洋経済新報社へ入社。東洋経済では編集局で金融マーケット、欧州経済(特にフランス)などの取材経験が長く、2013年10月からデジタルメディア局に異動し「会社四季報オンライン」担当。著書に『お金持ち入門』(共著、実業之日本社)。趣味はスポーツ。ラグビーには中学時代から20年にわたって没頭し、大学では体育会ラグビー部に在籍していた。2018年3月に退職し、同年4月より大正大学表現学部教授。

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