私は継父・継子の不和や虐待は、母親が避けようと思えば避けられた問題であると思うだけに、とても腹立たしく思っています。
子連れで再婚する場合は、継父の人間性を第一基準とするべきです。そこがクリアできないなら交際相手にとどめるか別居結婚、または子どもを親族などに預けることからスタートするべきだと思っています。
誓って言いますが、私はもちろん、継父がすべて継子とはうまくいかない存在だとは思っていません。私は「継父の鏡」と呼べる人を何人も知っています。
実父より継父に懐いた男児がいます。長じてその人は実父のガソリンスタンドの跡取りを断って、継父の大工の見習いをしています。
別のケースでは、小6のときに継父と同居が始まった女の子は、反抗期に家出を何度も繰り返しました。この継父が私の友なのですが、彼は先妻との間にも子があったので、反抗期の子の行動に慣れており、適度な距離をもって、「妻の大事な子」として接したそうです。
この女の子が大人になりお嫁に行くとき、「パパにいちばん感謝」と大泣きし、ママ亡き後も頻繁にパパを訪ねてきています。
継父による残虐な事件が起こる背景
以上のような経験から私は最初から、継父というだけで疑ってかかってはいません。
そのうえで申し上げるのですが、最近連続して明るみになった継父による残忍な虐待事件は、その無慈悲さから見ても、“ヒトでない者が親になった結果”ないし、“多くの哺乳類に共通する、残酷な動物的本能”としか言いようのないものを感じます。
前出の2人もそうですが、最初から「お父さんと呼ばなくていい」という関係から始めるステップファミリーが少なくないなか、今年9月、「本当のお父さんじゃないのに」といっただけで、小4の進藤遼佑さんが継父に殺されました。
この継父はなんらかの父親らしいことをしてきて、この言葉に切れたのでしょうか? 同居9カ月は真の親子のようになるには短すぎるし、仲がこじれるにも短すぎる期間です。この男は継父の資格という以前に、人間性が未熟で壊れたまま継父になったのです。
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