台風19号の被災地「明日からの大雨」に警戒を 土砂災害や河川氾濫、前兆感じたら避難を

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また、台風19号で48時間降水量が約1000ミリの記録的な大雨となった箱根町(神奈川県)では、2日間で70ミリ以上の雨が降るおそれがあります。東北でも大雨のおそれがあり、注意・警戒が呼びかけられています。

10月は季節の変わり目で、天気は周期的変化に入ります。低気圧が次々に日本付近を通過し、雨が降りやすい時期です。また、秋雨前線が停滞することでも雨が降ります。そのため、東京では梅雨時期の6月や7月より10月のほうが月間の降水量(平年値)は多いのです。

日本のはるか南の海上に「台風のたまご」

今回まとまった雨となる要因は、前線や低気圧以外にもう1つあります。

記事冒頭の画像でも確認できる日本のはるか南の海上にある、雲のまとまりです。これは熱帯低気圧で、次の台風になるかもしれません。熱帯低気圧と台風の違いは風の強さで、中心付近の最大風速が約17m/s(秒速約17メートル)以上になると台風というようになるため、熱帯低気圧は「台風のたまご」とも言われます。

この熱帯低気圧が台風になったとしても、本州には近づかない見込みです。

(出所:気象庁HP)

ただ、(台風になってもならなくても、)熱帯低気圧から雨のもととなる湿った空気が前線に向かって流れ込むことによって、前線の活動が活発になることが予想されます。そのため、降水量が多くなり、風が強まるおそれがあります。また、低気圧の発達具合によっては、東日本や東北で大雨になるおそれもあります。

今は、降水量の多少にかかわらず、土砂災害には注意・警戒が必要です。がけ崩れ、地すべり、土石流といった土砂災害は、現在降っている雨だけでなく、これまでに降った雨によって、土の中に蓄えられている水分量が深く関わっています。

台風19号によって大雨になった地域では、すでに土の中に多くの水が含まれ、地盤が緩んでいるのです。緩んだ地盤ですと、少しの雨でも土砂災害が発生するおそれがあります。

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