犬猫をたくさん飼った末に起きた「惨状」の数々 多頭飼育が崩壊した現場で何が起きているか

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「1年半住んだ汚部屋を掃除してほしいという依頼がありました。しかし写真を見ると、とても1年半で汚したとは思えない状況でした。荒れ放題で、10年は放置した部屋に見えました」

現場に行くとその部屋では8頭のダルメシアンが飼われていた。ダルメシアンはディズニー映画『101匹わんちゃん』のモデルとしても有名な、白黒のぶち模様が特徴の大型犬だ。

最初はオスメスの2頭だったのだが、子ども6頭を産んで合計8頭になってしまった。

ボロボロになっていた部屋。回復不可能なレベルに家屋は傷んでいた(写真提供:まごのて)

「お金持ちの大きな家でしたが、食事以外の面倒は見ておらず部屋はボロボロでした」

散歩もさせてもらえず、狭い部屋に閉じ込められたストレスで壁や床は剥がれていた。ダルメシアンは体重30キロにもなる。尿や糞の量は人と変わらないほど出る。それが8頭分となればすごい量だ。それが毎日床に垂れ流しになり、放置されていた。

当然、床板は腐っていた。回復するのが不可能なレベルに家屋は傷んでいた。

「結局、最初の2頭以外の6頭は全部、保健所で殺処分したそうです。かわいそうで、聞いてられなかったですね」

以前、ブリーダーをしていたというおじいさんの部屋には大量のカゴが並んでいた。室内には50匹のチワワがいた。

「歳をとって身体が動かなくなったから、もうブリーダーはやめたい。殺処分はしたくないから、欲しい人に譲りたい」

という内容のSNSに発表したところ、20匹のもらい手がついた。

それ以降もだらしなく飼っていたため、知らぬ間にチワワ同士が交尾してしまい20匹増えてしまった。

「生まれて1回も外を歩いたことのない犬たちが暗い部屋の中にいるのを見るのは、本当につらいです。あまりにひどくて、思わず怒りがわいてしまうこともあります」

犬がいることをつい忘れて出かけたまま…

多頭飼いではないのだが、犬の飼育崩壊であまりにひどい依頼があったという。

若い女性が、アパートの1室で小型犬を飼っていた。ある日、恋人と初の旅行に出かけることになった。犬は部屋に置き去りにしていた。依頼主は電話で、

「旅行にウキウキしていて、犬がいることをつい忘れて出かけてしまいました。旅行の途中で思い出しました」

と言った。

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