犬猫をたくさん飼った末に起きた「惨状」の数々

多頭飼育が崩壊した現場で何が起きているか

だが室内には寝具はなかった。「どこで寝ていたのだろう?」と探していると、ベランダに布団が敷いてあるのをみつけた。部屋には住んでいられなくなって、ベランダで寝ていたのだろう。あまりに悲惨な光景だった。

清掃が終わって物はなくなった。清掃前よりは薄らいだものの部屋にはきつい臭いが残っていた。畳はまるで土のようになっていたし、壁も猫の引っかき傷で、これでもかというくらい傷んでいた。

「あの物件レベルになると、汚れや臭いを取るには、内装を解体しないと無理ですね。骨組み以外、全部解体して清掃します。古い団地の場合、そこまでするメリットがないので、封鎖して“開かずの間”にしてしまっているかもしれません。

先日、清掃に行った現場は、同じレベルの汚れ方の多頭飼育崩壊の物件でした。この物件ではまだ住人も猫も住んでました。

田舎町の3階建てアパートの3階だったんですが、駐車場に車を停めた時点で、すでに悪臭が漂ってきていました」

部屋に近づくにつれ臭いはひどくなった。ドアにはまるで、一昔前のサラ金の嫌がらせのように、

「掃除をしろ」

など、おそらく近隣の人たちが書いたのであろう張り紙が貼られていた。家主は大家からも退去を迫られていたそうだ。

クロークを開けると猫みっしり

ドアを開けると無数の大きなハエが、わんわんと飛び回っていた。口を開けているとハエが入ってきそうなくらいだったので、手で口元を押さえながら話さなければならなかった。

部屋に足を踏み入れると、ずぶりとスネのあたりまで埋まった。長年にわたりたまった糞が堆積しているのだ。

ゴミ屋敷の室内の様子(筆者撮影)

清掃を始めたが、猫は見当たらなかった。「どこに行ったのだろう?」と思いながら清掃を続けていた。そしてダイニングのクロークを開けると中にはみっしりと猫が並んでいた。そしてコンセントは入っていない冷蔵庫の中にも、猫がずらっと潜んでいた。猫たちはみんなよく似ていた。

最初は野良猫を1匹拾ってきただけだったが、その後出産してどんどん増えていったという。

「住人は女性とその息子さんでした。耐えられなくなった息子さんからの依頼でした。

3LDKの部屋に40匹の猫を飼っていたようです。とにかくひどい状況でした。糞を外に出しても、畳はもうブヨブヨに腐っていました。普通の感覚では、住み続けられる状況ではなかったですね」

その現場では一部は病気になっていたものの、猫たちは生きていた。

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