犬猫をたくさん飼った末に起きた「惨状」の数々

多頭飼育が崩壊した現場で何が起きているか

「耳を疑いました。どう考えても、犬が家にいることを忘れてしまう、なんてありえませんよね? あきれて物も言えませんでした」

依頼主は、犬がいることを思い出しても家には帰らなかった。逆に

「部屋で犬が死んでいるかもしれないと思ったら、怖くて帰れないんです。もう1カ月帰っていません。どうなっているか確認してください」

と依頼してきた。

「どういう神経でそんな依頼をしてくるのか、本当に理解できませんでした。

現場に行くと、もちろん犬は死んでいました。アパートの中でエサも水もなく、飼い主を待ち続けて死んだかと思うと、本当に怒りを覚えました」

ここまで無責任ではないにせよ、結果的に部屋に放置されて犬や猫が死んでいるのは珍しいことではないという。

引っ越しの際、部屋に置いてけぼりにされたペットもいる。多くは水を欲しがり、流し台の上で息絶えていた。

「清掃業をしている人は、感情と実務を切り離して考えるクセがついています。汚い物を見るたびに、心が折れてたら作業になりませんからね。ただ、ペットの悲惨な末路だけはいくら回数を重ねてもなれることがありません。

そして表面に出ているのはほんの一部だと感じています。飼育崩壊している家、部屋は皆さんの想像以上にたくさんあると思います」

ペットは余裕がある人でなければ飼ってはいけない

ならば、どうすれば多頭飼育崩壊の悲劇を減らせることができるのだろうか?

犬のレッスンを中心にしたトレーニングや、ドッグホテルなどを経営する、「SKYWAN! DOG SCHOOL」代表取締役の井原亮さんに話を聞いた。井原さんは、ペットのしつけ教室の講師も務めている。

「まず自分のことを知らない人が多いんですね。自分が本当にペットを飼える状況なのかを知らなければなりません。

ペットは余裕がある人でなければ飼ってはいけません。体力、家屋、お金、時間に余裕があって、はじめて飼えるんです」

確かに「寂しいから」という理由で、飼い始めるのはあまりに無責任だ。そして1匹ではなく多頭飼いする人はさらに崩壊するリスクが高くなる。

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