犬猫をたくさん飼った末に起きた「惨状」の数々 多頭飼育が崩壊した現場で何が起きているか
しかし猫が亡くなっているケースもある。
「一人暮らしの男性が、10匹の猫を飼っていた現場の清掃に行きました。その人は比較的ちゃんと猫を飼っていたんですが、ある日突然警察に捕まってしまったんです。
10匹の猫たちは部屋に置き去りになってしまいました」
逮捕された男性の父親は、部屋の状況を把握していたがしばらく放置していた。そして2周間ほど経った後に、まごのてに相談の電話をしてきた。
「そんなに時間が経っているから、おそらく全頭死んでいるだろうと思って覚悟して現場に行きました。すると荒れた室内に、猫が1匹だけ生き残っていました」
現場には猫同士で共食いをした形跡が見受けられた。生き残ったその猫は、歯は抜けて毛もボサボサなボロボロの老猫に見えた。
依頼をしてきた男性の父親に電話をすると、なぜか怒っていた。
「俺は猫なんか大嫌いだから、適当に外に捨てておけ!!」
と怒鳴られた。
もちろん、そんなことはできない。とりあえず会社に持ち帰り面倒を見ることにした。
「動物病院に連れていっても老猫だと診断されました。しばらくしてから刑務所から出所した家主に聞いたところ、まだ6歳だということでした。まだまだ若い猫だったということにビックリしました。
その猫は、生物にとってあまりに過酷な経験をしたために一気に老けてしまったのかもしれません。結局、その猫は元飼い主に返されることはなく、現在はまごのてのスタッフが大切に飼っています」
遺書には「猫ちゃんたのむ」
ペットを遺し、飼い主が亡くなってしまうケースも後を絶たないという。
とある自殺現場には、机の上に
「すみません 死にます 猫ちゃんたのむ」
遺書はマジックペンでなぐり書きされていた。遺された猫たちが結果どうなったのかは追跡されていないが、結果的に殺処分されてしまった可能性は高そうだった。
また老人の孤独死の現場では、猫や犬の死体も一緒に見つかる場合が多いという。飼い主の横で寄り添って死んでいる犬を見ると、清掃員たちはとても哀しい気持ちになる。
多頭飼いはどちらかというと猫が多いが、もちろん犬の多頭飼いもある。
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