NBA渡邊雄太「小学生からの夢を叶える思考法」 大切な決断をするときに本当に重要なこと

拡大
縮小

僕自身も、「アメリカでチャレンジできるなら、ぜひしてみたい」と思うようになりました。ただし、そんなに早くアメリカが見えてくるとは思っていなかったので、具体的に何をすればいいのかまったくわかりませんでした。

さらには、「アメリカに行きたい」という希望をいざ表明すると、今度は一転して否定的な意見があちこちから聞こえてきます。

「いまさら行ってももう遅い」

「英語がしゃべれないのに、アメリカでどうやって生活するんだ?」

どこからともなくネガティブな意見が発せられたのです。

思い返せば、ネガティブな意見を言う人は、僕のことをあまり知らない人か、実際にアメリカに行ってプレーした経験のない人たちばかりだったような気がします。

人と何か違うことをやろうとするとき、否定的な意見を言う人は必ず出てくるものなのかもしれません。そんなときに大切なのは、自分の気持ちに素直に耳を傾けてみること。ネガティブな声に惑わされ、判断を誤るのは得策ではありません。

応援してくれる父母と渡邊雄太選手(c)小林靖

僕のケースで言うと、「NBAでプレーする」という夢にチャレンジし、仮に結果が出なくても、十分納得できたはずです。しかし、チャレンジもせずに終わっていたら、間違いなく後悔していたことでしょう。

「挑戦しただけで成功であり、それだけでも十分だ」

何をするにしても「挑戦」を決めた時点で、その決断は評価されるべきなのです。

事実、僕自身も渡米前にはそう自分に言い聞かせて、気持ちを奮い立たせていました。

バスケットボールに限らず、スポーツやビジネスなどの分野で、外国に行って挑戦したいと考えている人もいるでしょう。

そんな人たちに僕が伝えたいのは、「覚悟と決意があるなら、絶対に行ったほうがいい」ということです。

この場合、成功できるかどうかに惑わされる必要はありません。「覚悟」と「決意」が重要であり、それがあるのなら絶対に行くべきです。

実は、僕がアメリカ行きを決めたあと、父はNBAのフェニックス・サンズでプレーした経歴のある田臥勇太さん(宇都宮ブレックス)に連絡を取り、アドバイスをもらっていました。田臥さんは日本人初のNBAプレーヤーであり、道を切り開いた人として、バスケ界でとても尊敬されている選手です。

次ページ自戒の意味での危機感
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT