台風に便乗、トンデモ「リフォーム業者」の実態 台風被害で「保険が使える」という業者に注意

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冷静に考えれば、大きな自然災害が起きた後は、リフォーム業者は非常に多くの修理の依頼をこなすのにテンヤワンヤで、リフォームの勧誘をする余力もないと思われます。わざわざ現地を訪問して勧誘することはあまり考えられません。

では、その仕事のピークを過ぎた、自然災害の影響も和らいだ平時のタイミングに「火災保険の保険金でリフォームしましょう」と勧誘を受けた場合はどうかというと、やはり注意が必要です。

というのは、火災保険は、自然災害などの突発的な事故で被害を受けた際に支払われるものなので、因果関係の証明が難しいほどに時間が経っている損害を火災保険で賄えると業者が断言するのは無理があるからです。

「先日の台風のせいにして修理しちゃいましょう」といった勧誘を受けても、そもそも老朽化による場合は火災保険の対象にはなりませんので、保険金が下りず、リフォーム費用の持ち出しになる可能性が高いです。そのうえ、うその理由による保険金請求をしたことになるので、ご自身が保険金詐欺に該当するおそれもあります。

どうすればよいか。リストでチェック

では、住まいが損害を受けたとき、リフォームトラブルに巻き込まれないためにはどうすればよいでしょうか。

取るべき対応ははっきりしています。以下の3点を念頭に置いて、いざというときの対応に慌てないようにしておくのがおすすめです。

□自然災害による被害を受けたときは、まず、契約先の損害保険会社・共済に連絡を
トラブルにあった場合などは、すぐに契約先の保険会社や損害保険代理店などに連絡しましょう。
□勧誘を受けて修理を検討する場合は、事業者の説明をうのみにせず、すぐには工事契約を結ばない
工事の契約をする前に、複数の業者から見積もりを取り、慎重に判断しましょう。訪問販売の場合、工事着工後でも、重要事項説明資料を渡していないケースなどでクーリング・オフができることがあります。

保険金請求サービスを含めた契約をすることと、確実に保険金が受け取れるかは、まったく別の話です。保険金が受け取れなくても住宅修理のキャンセルはできないといった契約も散見されていますので、契約内容も十分な吟味が重要です。控えを渡さないなどの悪質な業者もいます。
□困ったときは最寄りの消費生活センターに相談する
トラブルにあった場合などは、すぐに近くの消費生活センターなどに相談しましょう。消費者ホットライン(188番)で相談可能です。

自然災害で心身ともに疲れ果てているときに、金銭面でもトラブルに巻き込まれることは避けたいところです。保険は言葉も難しく「よくわからない」と思っている人も少なくありませんが、何かあったときは、直接ご自身で保険会社や損害保険代理店に問い合わせるのがおすすめです。

竹下 さくら ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士

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たけした さくら / Sakura Takeshita

兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学商学部にて保険学を専攻。損害保険会社の営業推進部および火災新種業務部、生命保険会社の引受診査部門の勤務を経てファイナンシャルプランナーとして独立。個人向けコンサルティングを主軸に講演・執筆を行う。『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』(青春出版社)、『「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)など著書も多数。

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