「食べログ頼みの人」が知らない良店の見つけ方 「食べログやくざ」にキレる店主いるのも納得

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知り合いのグルメで知られる男性・S氏は、この10年ほど、怒り続けている。いったい何に怒っているのかといえば、「食べログを妄信する若者」にである。

ある日、S氏は「この店こそ今宵の飲み会に最適だ!」という熟考を経たうえで、若者を店に連れていった。だが、着いた後の彼の発言がこれだ。

「でもSさん、この店って食べログ【3.08】ですよね」

S氏が彼の言葉を聞いたときは絶句して、反論さえできなかったという。その後も同様の経験は続いたようで、ある日、私を相手にしたとき、こうまくしたてた。

「あのさぁ、この前、オレが自信をもって連れていった名店について彼らは食べログの評価が低いことを根拠にロクな店ではない、と言ったんだよ! なんで口コミサイトの書き込みをオレの評価よりも上に持ってくるんだよ!」

人間より「口コミを信じる」若者たち

S氏の言い分はわかる。長年通い続け、店の人からも「常連」として扱ってもらえるようになった愛着のある店を、誰が書いたかわからない口コミサイトの評価を基にけなされたわけだから。ネットの声については「集合知」といった言われ方もされてきたし、ある程度の信頼性はあるだろう。『「みんなの意見」は案外正しい』(角川文庫)という書籍もあるぐらいだ。

だが、これまでの人生を振り返ると、「『信頼できる人の意見』はかなり正しい」という説のほうが正しいと思えてしまう。陳腐な言い方ではあるものの「食通」として知られる会社の先輩から「この店ウマいんだよ」と連れていってもらった店は大抵ウマい。

20年前に知り合いのデザイン会社の社長が「この店の豚レバーはウマいんですよ」と連れていってもらったモツ焼き屋はいまだに通い続けている。思い返せば、これまで常連となった店はほぼすべて「この店はいい店だ」と信頼できる人から紹介された店だった。それらの店をまた別の知り合いに伝え、かくして彼らもその店の常連になっていく。

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