「食べログ頼みの人」が知らない良店の見つけ方 「食べログやくざ」にキレる店主いるのも納得

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読者の多くは上位に表示されるコメントだけを読んだら後は読まないため、いったん高く評価されたコメント(早く書かれたコメント)はそのまま上位に居座り続ける。コメントを読んだ人々は惰性で「いいね」をつけることもあるが、はたしてそのコメントは本当にいいコメントなのか? たぶんそれは違う。

こうしてネットの集合知に対して否定的なことは述べたものの、私はアマゾンのカスタマーレビューのカテゴリーランキング1位の商品はそこそこ信用している。秋ですねぇ。サンマの季節ですねぇ、というわけで、大根おろしが必要な季節になったが、6年前に買った大根おろし器は本当に重宝している。

「信用できるレビュー」とは?

それまで使っていた大根おろし器は、とにかく腕が疲れる代物だった。10cmほどの大根をおろしたら腱鞘炎になるのでは、と思うほど苦労したのだ。

だからこそより性能の高い大根おろし器を求めたのだが、貝印の「おろし専科 DA1204」が当時は1位だった。10月2日現在は5位となっているが、レビューの数は303件で、「星5つ」は61%である。星5つをつけた人の中にはこんな絶賛レビューもあった。

「余りの使い勝手のよさと、軽くすりおろせることにびっくりし、大根おろしが気軽にできることが嬉しくて、二人の娘 仕事の同僚、お客さんと今までに6個買いました。年をとって力が弱くなってきた方、でも大根おろしが大好きな方にお勧めです」

まったく同感だ。この大根おろし器を780円で買って以来、サンマを食べる回数は激増したし、ソバの薬味として辛味大根を使うようになった。生姜をおろすのもラクになったため、今や豚肉の生姜焼きはわが家の定番メニューになった。

飲食店にくわえ、書籍や映画などについては、個人の主観が大いに影響する。そうした見知らぬ人々の評価は信用しづらいが、大根おろし器のような家電や調理器具、主観が影響しづらい分野については信用してもいいのでは、と思っている。

中川 淳一郎 著述家、コメンテーター

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なかがわ じゅんいちろう / Junichiro Nakagawa

1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライターや『テレビブロス』編集者などを経て、出版社系ネットニュースサイトの先鞭となった『NEWSポストセブン』の立ち上げから編集者として関わり、並行してPRプランナーとしても活動。2020年8月31日に「セミリタイア」を宣言し、ネットニュース編集およびPRプランニングの第一線から退く。同年11月1日、佐賀県唐津市へ移住。ABEMAのニュースチャンネル『ABEMA Prime』にコメンテーターとして出演中。週刊新潮「この連載はミスリードです」他連載多数。

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