「食べログ頼みの人」が知らない良店の見つけ方 「食べログやくざ」にキレる店主いるのも納得

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今年の春、1998年から通い続けていた中華料理店が廃業した。店主はもうすぐ70歳になるが、体力的にもキツいということで廃業を決意したそうだ。生まれ育った田舎に戻り、畑仕事などをしながらのんびり暮らすという。

この店は食べログには一応出てはいる。麻布十番という好立地で、常連客がよく訪れる店ではあったが、☆は【3.11】で、口コミの件数はわずか4件。こぢんまりとしたこの店については、「教えたくない名店」ということで、常連客はあえて書き込みを控えているのだと思う。

だから、食べログのこのお店の情報を見たとしても、行きたいという気持ちにはならないだろう。ちなみに低評価した人は、「味は普通」や「店主となじみの関係になったらもっとよかったのかもしれないが」などと書いている。

さきほど紹介したS氏はここを嘆いているのだ。店というものは、「味・立地・価格」といった要素に加え、その店で働く人の人柄も含めて「いい店」と認定される。たまたま感じのいい店員がいなかった日にぶち当たった人はその店を「悪い店」と認定するかもしれない。それが食べログなどのレビューサイトには反映されてしまう。

だからこそ先日も、九州料理の店の店主が食べログに悪評(しかも虚偽の内容まであった)を書き込む人々に向け、「食べログやくざの評価は結構です。みかじめ料のお支払お断り!」と貼り紙を出す騒動まで発生したのだ。店舗としてはたまったもんじゃないだろう。

一方、知り合いが紹介する店は何度も通った人による総合的な評価なわけで、口コミサイトよりは信頼に値するのではないだろうか。だからこそ、知り合いは多くいたほうがいいし、フェイスブックで「○○(地名)のおいしい店を教えてください」という問い合わせをするとかなり精度の高い情報を得ることができるのだ。

「コメント欄」も信頼性低い?

また、こうしたレビューサイトだけじゃなく、ニュースサイトのコメント欄も鵜呑みにしてはならない。多くのニュースサイトでは、読者のコメントに対して「いいね」や「共感」をつけることができ、評価が高ければ高いほどそのコメントは上位に来る。

しかしながら、「いいね」の数で上位に来るコメントは「記事が配信された直後に書き込まれたコメント」であることが多い。

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