広まるビットコイン、貨幣になる日は来るか

日本でも利用者が増加。仮想通貨の実態と今後は?

ビットコインの入手方法は、ネット上での採掘か、個人や取引所からの購入。利用の際は、おサイフケータイのような形で使う。スマホに、ビットコイン・ウォレット(財布)と呼ばれるアプリをダウンロード。そこにビットコインを入金しておけば、店の提示するQRコードを読み取ることで、支払える。スマホだけでなく、パソコンでも可能だ。

ビットコインは一見、電子マネーや地域通貨、あるいは企業が発行するポイントのように見える。が、現在の日本で定義されている電子マネーでも地域通貨でもポイントでもない。

日本銀行金融研究所によると、その理由は三つ。(1)特定の発行主体がない、(2)発行するときの払い込みがない、(3)特定の資産による裏付けがない、という点だ。

特定の発行主体がないビットコイン

(1)について理解するためにあらためてビットコインの成り立ちを見ておこう。

ビットコインは、サトシ・ナカモトと名乗る正体不明の人物によって投稿された論文が基になっている。このシステムは、ネットワークの中央のサーバーがなく、末端のユーザー同士で直接情報をやり取りするピアツーピアで結び付いている点に特徴がある。システムを管理する特定の運営者はおらず、特定の発行主体もない。

(2)(3)については、ビットコイン発行のメカニズムを見ればわかる。利用者はコンピュータで採掘することでビットコインを手に入れる。電子マネー「Suica(スイカ)」などのように、日本円をチャージする必要はなく、ビットコインの価値を担保するものがあるわけでもない。

三つの要件を満たさないため、ビットコインは現状、政府が認める電子マネーではない。だが、ビットコインはそもそも政府の信用がなくても貨幣として流通することを目指している。そんなことが起こりうるのか。

「よくできているが、円やドルを代替する未来の通貨にはなりえないだろう」と見るのは『貨幣進化論』などの著書がある早稲田大学の岩村充教授。最大の理由は、価格変動が激しいという点だ。

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